【ブラック企業を辞めたい方へ】仕事を辞めても良い理由と退職方法
お疲れ様です。従業員の退職手続きを毎月行っているベンゾー(@zangyoujigoku)です。
この記事では「ブラック企業を辞めたい方」に向けて、「辛い仕事は辞めても良い」という理由や、「具体的な退職方法」を伝えていきます。
この記事で伝えること
- 「辛い仕事は辞めても良い」という理由
- ブラック企業を退職する上で「1番大切なこと」
- 「労働基準監督署」にも確認をした退職日に関すること
- 法律を使った「得する退職方法」
- 「辛過ぎて余裕が無い人用」の退職方法
- 経験上「気持ちに余裕を持てた」退職方法
特に「具体的な退職方法」では・・・
- ブラック企業を退職する上で「1番大切なこと」
- 「労働基準監督署」にも確認をした退職日に関すること
- 法律を使った「得する退職方法」
- 「辛過ぎて余裕が無い人用」の退職方法
- 経験上「気持ちに余裕を持てた」退職方法
の5つを紹介します。
ブラック企業に勤めている方に聞きます。
- 朝、起きるのが辛い
- 通勤中も辛い
- 明らかに体調が崩れてきている
- 仕事のプレッシャーに耐えられない
- 1日中仕事のことが頭から離れない
こういう経験をしたことはありますか?
これは全部僕の実体験です。
こういう状態になると「会社を辞める」という選択肢自体が見えてこないんですよね。
なんとか目の前の仕事を終わらせないと!ってことだけに必死で、それ以外のことが見えてこないんです。
ここで退職の道を歩むことは、あなたの人生において大切な選択になります。
なぜならブラック企業はガマンして待っていても「改善されることなど無いから」です。
手遅れになるまで使い続けて、潰れたら交換するのがブラック企業のやり方。
脱出するには退職するしか道が無いと思ってください。
ガマンし続けて、心・身体・家庭を壊してしまった人を何人も見てきました。これを読んでいる方にはそうならないで欲しいです。
「辛い仕事は辞めても良い」という理由
辛い仕事は続けていても良いことありません。
だから早く退職・転職することが大事です。
ここでは退職することになかなか踏み出せない。という方に一歩踏み出してもらうために、辛い仕事は辞めても良いという理由を紹介していきます。
ここでは、一般的な目線に加え・・・
- 労働問題の専門家
- 知人友人の体験談
- 僕自身の体験談
の3つの目線から解説していきます。
うつ病のリスクがデカすぎる|珍しい病気ではない
ブラック企業で働いた結果うつ病になってしまったという人をよく見ます。僕が以前勤めていた会社でも年に1人はうつ病になっていました。
厚労省の統計によりますと日本において・・・
- 12カ月有病率が1~2%
- 生涯有病率が3~7%
つまり、1年あれば100人中1~2人はうつ病になる。生涯においては100人中3~7人がうつ病を経験するということです。
※【厚生労働省】「知ることからはじめよう-みんなのメンタルヘルス」より抜粋
ある程度の規模以上の会社に勤めている方なら、うつ病になることは決して珍しいことじゃないことが分かる数字ですね。
僕個人としては、うつ病になってしまってから退職するんじゃ遅いと思っています。
それはうつ病にかかってしまってからじゃ遅いリスクがあるからです。
僕自身は幸いなことにうつ病になる前にブラック企業から脱出することができました。
でも同じブラック企業に働いており、うつ病になってしまった友人や知人は・・・
- 再発に悩まされ続けている
- 薬を飲み続け、妊活ができない
という生活を送っています。
今では一部改善できた人もいますが、長い闘病生活を強いられていました。
さらにギリギリセーフではあったものの、「住宅ローン」が借りられなくなるところだった人もいます。
住宅ローンは「団体信用生命保険」という保険の加入が必須になるケースがあります。
ただ、この保険はすでに重病を抱えている場合、加入できないんですね。保険に加入できないということは、金融機関によっては住宅ローンを借りること自体ができないことに繋がります。
僕の知人は住宅ローンを組んで数か月後にうつ病が発症しました。ホントにギリギリセーフだったと言っています。
また労働問題の専門家として懸念されるのは、うつ病で休職をしても「社会保険料が引かれ続ける」ということです。
ブラック企業ならなおさらですが、休職中は給料が出ない会社が多いです。
つまり給料は出ないけど、保険料は引かれ続けるわけですね。
金銭的な負担が大きくなり、ますますプレッシャーを感じることになりますね。
そんなときのために「傷病手当金」という制度がありますが、給料のおよそ7割までしか給付がありません。しかも1年半しか貰えないんです。
うつ病のリスクについて「仕事でうつ病になるくらいなら退職して!4つのリスクを解説」でより詳細を書いています。
同僚でうつ病が多い方は、いつ自分の身にも起こるかわかりません。一度ご覧になって、うつ病のリスクをご確認ください。
退職・転職は全然珍しくない|世間体を気にする必要なし
今の60代以上の方と話していると、転職や退職をすること自体がもの凄く珍しいことのように受け取られることがあります。
確かに当時の感覚では珍しかったのかもしれません。それこそ「世間体を気にしてしまうレベル」で珍しいできごとと扱う人もいます。
でも今は終身雇用も危ぶまれており、1つの会社だけで社会人人生を終える方が少なくなってきたとも言われています。
という話は厚労省の統計調べればすぐわかりますので、本業で労働問題を扱っている僕の目線から「退職と転職が珍しくないこと」を話します。
結論を言うと、僕が担当したとある企業では、「1年間の入退社数」が同じ年に「ケガや病気で会社を休んだ人数」の50倍いたんです。
僕は本業で労働問題を扱っています。その中で従業員の入退社の手続きや、従業員がケガや病気で休んでしまった場合の手続きをしています。
病気やケガの具合にもよりますが、会社を休まざるを得ない場合ってありますよね。例えば足を骨折して会社に来られないとか。病気なら手術や入院が必要なレベルのものとか。
僕も胃腸炎で1週間出社できなかったことがありますし、友人には休日に山登りをして腕の骨を折って2週間出社できなかった人もいます。
そう考えると、退職や転職って実は珍しくないことだって考えられませんか?
会社によっては中途採用をあんまりしない方針のところもありますが、逆に中途採用ばっかりの会社だってあります。
昔はともかく、今の時代は退職や転職をすること自体、珍しいことではないんです。
もし退職・転職による「世間体」を不安がって踏み出せない方がいたら、考えを改めた方が良いです。
ここでは「退職・転職が珍しくないんだよ!」ってことだけ解説しましたが、中途採用の不安って他にもありますよね。
- 自分の希望に合った求人があるか
- 企業にアピールできるポイントが見つからない
- 給料が下がるんじゃないか
- 残業が増えてしまうんじゃないか
- 人間関係は良好なのか
- 歓迎されないんじゃないか
この辺りも含めて、退職・転職の不安を解決させるための話を「転職の心配ごとを解消|中途入社と退職の不安を解決」で書いています。
漠然とした不安がある方は一度ご覧ください。
「ここ以外では通用しない」は嘘|オススメ動画紹介
退職・転職をする人がよく言われる言葉があります。
これですね。
もはやありきたり過ぎて、「おはよう」「お疲れ」「ここ以外では通用しない」「ありがとう」って並んでても違和感ないくらい。
もちろん僕も言われたことがあります。
で、だいたいみんな同じなんですが、ここ以外でも通用するんですよね。
そもそも今の会社に入社したとき、すぐに通用しましたか?通用しませんでしたよね?
そこから数か月、数年と仕事をしていき、慣れや経験が積み重なって今のスキルがあるわけです。
これと同じことをもう一度別の会社でやるだけです。
全然難しいこと無いです。
と、これだけではちょっと根拠として薄いと感じる方もいると思います。
そんな方には藤原和博さんと言う方の「10年後、君に仕事はあるのか?」という動画を是非見ていただきたいです。
ちょっと話が変わりますが「1万時間の法則」というものがあります。
簡単に言うとその道のプロと呼べるようになるには、1万時間経験を積めば大丈夫という法則です。
こうやって1つのキャリアを形成できたら、別の仕事に転職をしてまた1万時間経験を積む。
この方が1つの仕事だけをずっと続けるよりも、自分の市場価値が上がります。
という方法を推奨している方がいます。
ビジネス系の話では超有名な方なので、知ってる人もいるかもしれませんが「藤原和博」という方です。
この人の「10年後、君に仕事はあるのか?」という話は、20代の方には是非見ていただきたい内容です。
「SEから異業種への転職は20代後半で|3つのキャリアで高収入」でこの話の概要を僕なりにまとめています。
動画へのリンクも貼ってあるので是非ご覧ください。
なんとなく仕事をしている人には衝撃が走る内容です。
失業保険がある|仕事を辞めたら貰える給付金
従業員として働いている人の大半が「雇用保険」というものに加入しています。
この雇用保険には「基本手当(通称、失業保険)」という制度があります。
これはある程度の期間働いた人であれば、退職をしても国からしばらくの間金銭的な援助として給付金が貰えるという制度です。
国の方針として、「失業をすると次の就職先を探すのや生活費として、色々お金が必要だろう。金銭的な援助をしてあげるから頑張って次の仕事を見つけなさい。」という感じです。
だから、「会社を退職=無収入」というわけではないんです。
金銭的な理由で退職や転職に踏み出せないと言う方は、こういう制度があることを覚えておいてください。
失業保険の制度は少し難しいので「失業保険|転職先を決める前に退職しちゃった人が読むべきお金の話」で解説する内容もご覧ください。
必要な部分だけ抜粋して解説していますし、貰える金額を計算する方法も載せています。
仕事を辞める方法
ブラック企業を退職する上で「1番大切なこと」|今すぐ辞めること
会社に退職を伝える方法について、「ブラック企業で働いている人向け」の話をします。
「退職 伝え方」とかでググると
- 上司の都合を考えるべき
- 会社の都合を考えるべき
- 飛ぶ鳥跡を濁さないように
- 感謝の気持ちを述べてから退職を切り出す
という結果が出てきます。
今、この記事を読んでいる方は上記の方法は参考にしてはいけません。
これは「ん~私もそろそろ転職しちゃおうかな☆テヘペロ!」みたいな人向けの話です。
1番大事なことは「今すぐ辞めること」です。
- 退職を伝える相手
- タイミング
- 退職の理由
- 切り出し方
- 引き留めされないために注意したいこと
退職する上で色々と考えることがありますが、それら全部を「劣悪な職場環境での退職の伝え方|1番大事なことは何?」で解説しています。
なんだかんだ言って、結論は「今すぐ辞めること」になるんですが、退職を伝えることに手間取っている方には是非読んでいただきたい内容です。
- 「もうマジで限界」
- 「これ以上働いたら死んでしまう」
- 「辛い辛い辛い辛い辛い辛い」
という方は必ずご覧ください。
退職届は何ヶ月前に出すべきか?労基署と出した結論3パターン
退職を切り出すのに何ヶ月前に言うのが良いのでしょうか?
色んな意見がありますが、僕が出した結論は・・・
- どうしても今すぐ辞めたいなら「2週間前」
- 法的に妥当なところなら「1ヶ月前」
- 揉めたくないなら「就業規則の通り」
この3パターンとなりました。
就業規則の定めがあったり、民法の定めがあったりと難しいところですが、実際に労働基準監督署の方の意見を参考に出した結論です。
この結論に至った理由は「退職は何ヶ月前に言うべき?労働基準監督署と出した結論」で解説しています。
退職を考えている方は一度参考にした上で、切り出すタイミングを決めてみてください。
※上でも言っているように「もうマジで限界」とかって人は「今すぐ辞めること」を1番に考えてください。
法律を使った「得する退職方法」|退職時の有給消化
退職時に残っている有給休暇を全部消化するのは、従業員として働いているのなら是非とも使っていただきたい権利です。
精神的に余裕があるのなら是非チャレンジしてもらいたいです。
ホワイト企業だと有給消化することを促してくれるという話も聞きます。
しかしブラック企業は当然ながら中小企業ではなかなか有給消化をさせてくれないところもあります。
普通に交渉をして有給消化できる会社なら良いですが、交渉をした上で断られるというのは法律的にもアウトです。そんな場合にムリヤリ有給消化をする方法があります。
それは退職届と有給の申請書をセットで郵送することです。
郵送する場合は念のため「レターパックプラス」で送る方が良いです。
※内容証明郵便は文字数制限があるのでオススメしません。
レターパックプラスとは・・・
レターパックプラスは、普通の郵便と違って「対面」で直接手渡ししてくれる上に、受領印や署名も書いて貰えます。
これなら「受け取っていない」とは言えなくなります。
送るときはポストに投函でOKなので、わざわざ郵便局へ行かなくても大丈夫!
郵便局へ行かなくても、コチラで購入してポストに投函でOKです!
これで有給扱いにしてもらえない場合は労働基準監督署へ行けば解決します。
ただ、間違いなく会社と揉めることになります。
会社と揉めてでも有給消化をしたいという方は「退職時に有給休暇を使い切る|実際に半月休んだ方法を解説」をご覧ください。
より詳細に解説をしています。
ちなみに僕は会社と揉めましたが、後悔はしていません。
「辛過ぎて余裕が無い人用」の退職方法|退職代行
退職をする方法を色々と解説してきましたが、本当に限界まで働かされている人の場合、「色々と自分で調べることがもう無理。そこまで余裕が無い」って場合もあると思います。
退職に特化した専門家が、ほぼ100%の成功率であなたを退職まで導いてくれます。
なお、退職のときには上で紹介している有給休暇の全消化や、未払い残業代の請求のお世話もしてくれます。
退職代行業者は近年めちゃくちゃ増えてきてます。中には怪しい業者もあるので、業者選びには注意が必要です。
なお、僕は退職代行を使うなら絶対に「退職代行SARABA」がオススメとしています。
約30社の退職代行を比較・検討し、実際に自分で使って確信をした内容を「退職代行SARABAが絶対に最強な理由を労働問題専門家が徹底解説」に詰め込んでいます。
退職代行を検討するなら、絶対に読んでください。
経験上「気持ちに余裕を持てた」退職方法|転職活動を先に終わらせる
退職するしないに関わらず、転職先は早めに見つけておくのをオススメします。
なぜなら転職先があることで、いざってときに会社にNOと言えるからです。
例えば、嫌な仕事を無理矢理押し付けられそうになった場合、今までなら
という恐れがありました。
でも転職先をすでに見つけている状態なら
ってなります。
これって気持ちの余裕が全然違うんですよ。だから退職するしないに関わらず、早めに転職先を見つけておくことをオススメします。
で、肝心の転職先ですが、現在とんでもないブラック企業に入ってしまったと思う方なら、なおさら次はブラックじゃない会社に入りたい想いが強いですよね。
本業で100社以上の企業の労働実態を見てきた僕が、実際に掲載されている求人票を1社ずつ見ていき、ブラック企業の少なかった転職サイトをランキング形式で紹介しています。
転職を検討している方は是非ご利用ください。
「いきなり退職はちょっと・・・」という方は休職もある
「会社が辛い⇒じゃあ退職だ!」
というのはちょっと極端過ぎて決断ができない・・・という方もいると思います。
そんな場合は「休職」という選択肢もあります。
「休職」というのは会社に籍を置いたまま、しばらく会社を休むという方法です。
休職中は働けないため給料が出ません。
しかし健康保険に加入している方(以下のような保険証の方)なら「傷病手当金」という制度を利用できます。
傷病手当金というのは
- プライベートのケガや病気で働けないときに給付されるお金
- 給付額は給料の約3分の2
- 健康保険に加入していることが前提
- 会社負担が無いので、遠慮なく使える
という制度です。詳しくは「会社を長期休職しても収入を得られる制度を解説【傷病手当金】」で解説しているので、ご存知でない方は是非確認をしてみてください。
まとめ|仕事を辞めても良い理由と退職方法
仕事を辞めても良い理由・・・
- うつ病になった場合のリスクがデカすぎ
- そもそも退職、転職は珍しいことじゃない
- いくつもの会社でキャリアを積むのがオススメ
- 無職=無収入ではない
ガマンし続けて、心・身体・家庭を壊してしまった人を何人も見てきました。これを読んでいる方にはそうならないで欲しいです。
退職の具体的な方法・・・
- ブラック企業は「今すぐ辞める」が1番大事
- 退職届を出す時期は3パターンある(例外でヤバいときは今すぐ)
この記事が参考になる人は、基本的に「今すぐ辞める」が正解です。
もし多少なりとも余裕があるなら、法律や就業規則に則ってみてください。
その他、ブラック企業を辞める上で参考になる考え方で・・・
- 退職時に有給休暇を全部消化する方法
- 本当に辛いときは退職代行もあり
- 早めに転職先を見つけておくと、精神的に楽
- 退職のハードルが高いなら、休職もあり
も書きました。必ず役に立つ情報なので、いざ退職を決意したときには見直すようにしてください。
繰り返しになりますが、どうしても辛い仕事を無理して続ける必要はありません。辞めたからと言って人生が狂うようなことも無いです。
最後に「退職後の話」を紹介しておきます。
なんとか退職までできたとして、その後は・・・
- 保険・税金などの手続き
- 離職票・源泉徴収票などの回収する書類
- 場合によっては未払い残業代の請求
といったことも心配ですよね。
上記のような各種保険や税金の手続き、退職した会社とのトラブルについては「退職後の保険手続き・トラブル対処法を徹底解説|気持ちよく次へ進む方法」でまとめてあります。