失業保険|転職先を決める前に退職しちゃった人が読むべきお金の話

2019年6月13日

失業保険_転職先を決める前に退職しちゃった人が読むべきお金の話

お疲れ様です。SEから労務のプロへ転職したベンゾー(@zangyoujigoku)です。

今回は「失業保険」という制度を紹介します。

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現役SEの北田さん

もうこんな会社辞めてやる!って飛び出したくなることがあるんだが
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ベンゾー

誰にでも1度や2度あるやつだね
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現役SEの北田さん

まあ実際それで辞めちゃったら、収入無いし生活できなくなるけどね
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ベンゾー

確かに勢いで辞めるのはおススメしないけど、収入がなくなるわけじゃないよ
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現役SEの北田さん

どういうこと?どっかからお金貰えるの?
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ベンゾー

「失業保険」っていう、会社で加入する国の保険制度があるんだよ
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現役SEの北田さん

なんか聞いたことあるような・・・それって僕も加入してるのかな?
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ベンゾー

普通に働いてたなら加入してるから安心して。今回はその辺を解説していくね

転職先が決まる前に退職すると、当然ですがどこからも給料が出ないですよね。
そんな時期が長く続くと生活にも差し支えます。

そんなお金の問題を解決するのが「失業保険」という制度です。

失業保険を活用することで、無職期間ができてもお金を貰うことができます。
今回はそんな「失業保険」について、労務のプロとしてざっくり解説をしていきます。

この記事では

  • 失業保険ってそもそも何なのか?
  • 自分は加入しているのか
  • どこでもらうのか
  • いくらもらえるのか

といった疑問について解説していきます。

 

ちなみに正式名称は「基本手当」と言いますが、「失業保険」や「失業手当」という名称が一般的になっています。
わかりやすさを重視して、この記事では「失業保険」と呼んでいきます。

 

失業保険?失業手当?|失業したときの援助制度

まずはざっくりと失業保険という制度について解説をします。

 

「保険」という文言が付くことからもわかるように、「何か」があったときのセーフティネット的な制度です。

「何か」というのは当然失業のことを指します。

 

つまり失業をしたときに金銭的に助けてくれる制度なんですね。ここまでは名前を聞いただけでも想像できると思います。

ちなみに「失業保険」や「失業手当」と一般的に呼ばれていますが、実は正式名称は「基本手当」と言います。

これだと名前から想像できなさそうですね。

 

何はともあれ「失業保険」という制度を使えば、失業したときに金銭的な援助をしてもらえるということを理解してください。

次は失業保険に加入しているかどうかを確認しましょう。

 

自分は失業保険に加入している?|雇用保険料が引かれていればOK

「失業保険」という制度を使えば、失業したときに金銭的な援助をしてもらえるということを理解できましたね。

でも・・・

  • 「失業保険なんて保険に加入した記憶がない・・・」
  • 「保険料を払ってる記憶がない・・・」

という方。安心してください。

失業保険は「失業保険」という名前ではなく、「雇用保険」という名前で加入しております。保険料も「雇用保険料」として給料から天引きされています。

自分の給与明細を見てみましょう。控除の欄に「雇用保険料」という名称で数百円~千円くらい引かれていませんか?

もし引かれていれば加入しているということです。

※年齢が65歳以上であれば免除されているということもあります。

 

自分が失業保険(雇用保険)に加入しているかどうかの見分け方がわかりましたね。

次は失業保険をどうやってもらうのかを確認しましょう。

 

どうやってもらうの?

自分が失業保険(雇用保険)に加入しているかどうかを調べられましたか?

ちゃんと加入していれば、次は申請方法を確認していきましょう。

 

ものすごくざっくり説明をすると、会社を退職した後、「とある書類」をもって「ハローワーク」へ行けば申請ができます。

どんな書類を持っていくの?|離職票

持っていく書類は「離職票」というものです。

離職票というのは自分の直近の給与額や出勤日数が記載された公的な書類です。

 

一般的に会社を退職した後、会社は行政機関にあなたが退職した旨を届出ます。

行政機関は会社から給与額や退職日などの情報を貰い、処理を行います。

この行政機関が行う処理が完了して発行されるのが「離職票」というわけです。

 

発行された離職票は一旦会社に届けられ、その後あなたの手元に郵送なんかで届くことになります。

というように離職票があなたの手元に届くのには、会社だけでなく行政機関や郵便局を挟んだりしますので、退職後1~2週間はかかると思ってください。

無事に離職票が手元に届いたら、今度は離職票を持ってハローワークへ行きます。

 

どこのハローワークへ行くの?|住所管轄のところ

離職票が手元に届いたら、ハローワークへ行きましょう。

ハローワークは各県にいくつもありますが、ここであなたが行くのは住んでいるところを管轄しているハローワークになります。

ある程度大きな市町村に住んでいる方なら、その市町村内にハローワークがあると思います。

そうでない方はお隣の市町村のハローワークが管轄だったりします。

「お住まいの市町村名 ハローワーク 管轄」でググれば、自分の住んでいる地域がどこの管轄になるのか調べられます。

もしそれでも分からなければ、県庁所在地の市にあるハローワークへ電話をしてみてください。そこで自分の住所を伝えれば管轄を教えてくれます。

 

いくらもらえる?|「賃金日額」×「給付率」×「給付日数」

実際に失業保険がいくら出るのか。ここは突き詰めていくと本当に細かい計算が必要になりますので、ざっくりとよくあるパターンで紹介します。

まず最初にものすご~くざっくりと言うと、「給料1ヶ月分の50~80%を3ヶ月から1年分貰えます」

 

失業保険の給付額は・・・

「①賃金日額」×「②給付率」×「③給付日数」

という式で計算できます。

では各用語をざっくりと解説していきます。

まず「①賃金日額」です。

退職前直近6ヶ月間で貰った給料(ボーナスは除く)の総額を180で割ったものが、賃金日額です。

ここで言う給料は社会保険料や税金を引く前の金額です。

6ヶ月分の給料を180で割るということは、ざっくりと1日分の給料を算出しているということですね。

次に「②給付率」です。

給付率は年齢や賃金日額によって変わりますが、だいたい50~80%となっています。賃金日額の少ない人や高齢の人の方が、給付率が高くなります。

つまり、給料の安い高齢者なら給付率が高いというわけですね。

弱者保護的な考えから来ているんだと思います。

 

最後に「③給付日数」です。

給付日数は短い人なら90日、長い人なら360日となっています。

給付日数の長さは

  • 雇用保険に加入していた年数(つまり何年間会社に勤めていたか)
  • 年齢
  • 退職の理由

によって変わります。

ざっくり言うと雇用保険加入期間が長く、高齢で、会社側の都合で退職をした人だと給付日数が多くなるわけです。

逆に雇用保険加入期間が短く、若年者で、自己都合により退職した人だと給付日数が少なくなります。

これら3つをかけ算したものが、失業保険で貰える給付総額というわけです。

※かなりざっくりとした説明です。

 

給付制限について

給付制限とは?|給付が始まるまでの期間

実は失業保険は申請してすぐに貰えるものじゃないんですね。

申請後、まずは「待期期間」というものがあり、これは7日間と決められています。

じゃあ待期期間が終わったら貰えるのかというと、その次に「給付制限」というものがあります。給付制限というのは給付が開始されるまでしばらく待っていなければいけない期間のことです。

どのくらい待つかは、退職の理由によって異なります。例えば一身上の都合や、自己都合による退職の場合は3ヶ月と決められています。

つまり、自己都合で退職した方は、失業保険の申請から7日+3ヶ月待たないと給付されないわけなんです。

結構長いこと待たされますよね。

 

ところがこの期間は退職の理由によってはかなり短くなるんです。

7日間の「待期期間」は変わらないんですが、3ヶ月の「給付制限」は場合によっては0ヶ月。つまり給付制限なしになり得ます。

 

残業で給付制限が短くなることも

「給付制限」が短くなる退職理由の代表的なものが「解雇」。いわゆる「クビ」「リストラ」といったものです。

この手の理由で退職した場合は、給付制限なしになります。

つまり、申請後7日間の待期期間だけ待てば給付が始まるということです。

 

そして、解雇やクビといった理由と同様に給付制限なしになる退職理由がまだあります。

その中でも特に注目したいのが「過労を理由とした退職」です。

つまり残業が多すぎて退職した場合も、給付制限なしになるということです。

 

どのくらい残業が多いと給付制限なしになるのかというと、離職の直近6ヶ月の中で・・・

  1. 3ヶ月連続で45時間超の残業
  2. 1ヶ月で100時間超の残業
  3. 連続する2ヶ月間の残業平均が80時間超

どれかに該当すれば、給付制限なしになります。

①②はわかりやすいと思いますが、③だけ少し複雑なので補足します。

連続する2ヶ月というのは、1月と2月とか、8月と9月といった意味です。逆に1月と3月とか、8月と10月は連続していません。

例えば1月に70時間、2月に94時間残業をすると、平均で82時間になりますね。これは③に該当するので給付制限なしになるということです。

 

何が言いたいかっていうと、このブログのタイトルにもあるように、「残業地獄で苦しんでいるのであれば転職先が決まってない内に退職しても、失業保険があるからお金の心配はいらない」ってことです。

 

早く申請した方が良い?

失業保険の申請って早くした方がいいの?という話を良く聞きます。

結論を言うと早い方が良いです。

 

昔、あんまり知識が無い頃は「貰えるのが早いか遅いかの違いで、貰える金額に変わりはない」と思っていました。

たしかにそういうケースもありますが、金額が減るケースもありました。

僕がこうした間違いした原因は「退職してから1年間が受給可能期間」という決まりを失念していたためです。

 

失業保険を受給できるのは、退職後1年間だけなんですね。

だから申請が遅れると、まだ給付日数が残っているのに1年経ってしまうことがあるんです。

このケースの場合に貰える金額が減ってしまうので、要注意ですね。

 

あるいは申請が遅れたことによって、給付日数がまだ残っている内に転職先が決まった場合です。

失業保険は転職先が決まるまでしか貰えないので、給付日数が残っていても貰えなくなります。

転職先が決まることは嬉しいことですが、失業保険的に考えるともったいないわけですね。

ただ、この場合は「再就職手当」という別のお金を貰うことができます。

金額は少し目減りしてしまいますが、転職先が決まったことを素直に喜びましょう。

 

まとめ|転職先を決める前に退職しちゃった人が読むべきお金の話

  • 自分が加入しているのか
    ⇒「雇用保険料」が天引きされていれば加入
  • どこでもらうのか
    ⇒自分の住所を管轄するハローワーク
  • いくらもらえるのか
    ⇒給料1ヶ月分の50~80%を3ヶ月から1年分
  • 長時間労働を理由に退職した場合は少し有利
  • 申請は早い方が良い

勢い余って退職しちゃって、「次の職場が見つかるまで収入が無いよ~」ってときでも安心できる制度についてご紹介しました。

安心できる制度ではありますが、やはり僕個人としてはちゃんと次の職場を見つけてから退職をするのをおススメします。

ただ、最近はとんでもないブラック企業というのもあります。そんな会社に勤めてしまったのなら、勢いで退職することも良いと考えています。