正当な残業代を貰ってる?未払いとして請求できる事例を解説
お疲れ様です。過去2回未払い残業代の請求・回収をしたベンゾー(@zangyoujigoku)です。
この記事では「未払い残業代として請求できる事例」を紹介します。
以前こんなツイートをしました。
・固定残業代だから働かせ放題になってる
・土曜も出勤の会社だから残業代無しで週6働いている
・手当はあるけど基本給が安いから残業代も安い
・1日7時間勤務の仕事だから、1時間はサービス残業してる
・日給制・時給制だから残業代が付かない
↑これ全部アウトなんですが、需要あれば解説します— ベンゾー@ブラック企業が嫌い (@zangyoujigoku) August 10, 2019
このツイートをした理由は、ツイッターを見ていて残業代の計算や残業時間そのものの計測方法を誤解しているケースが多数見受けられたからです。
労働者側が誤解しているならまだしも、経営者側が誤解(わざとのケースもあるけど)している場合、残業代の未払いとして請求できる事例になります。
一般労働者として働いていると、日々の残業代なんてなかなか確認しませんよね。僕もSEとして働いていたころは全然気にしていませんでした。
「そんなこと確認するくらいなら、少しでも早く仕事を終わらせて帰りたい!」って感じでしたね。
でも未払いの残業代って実は結構な金額になるんです。例えば年収300万円の人が毎月15時間分の残業代未払いがあったとしますよね。
この場合2年分で約67万円の未払いという計算になります。(2020年4月より3年分回収できるようになりました)
※残業代の計算は会社によって微妙に異なります。67万円は一般的な会社の例えです。
67万円あったら何ができますかね。ググってみたら55万円で南米を周遊したって人もいました。
南米って行ったことないのでよくわからないですけど、ウユニ塩湖があるとこなんですね。ちょっと行ってみたいな。
話を戻しますが、未払いの残業代はちゃんと会社に請求することができます。僕自身も今までに2回請求と回収をしたことがあります。
請求をするためには、まず自分の給与に未払い残業代があるかを知る必要がありますよね。
残業代の計算方法をすべて解説しようとすると複雑になるので、この記事では「よくある間違い」に絞って解説していきます。
この記事を見て自分の残業代が正しく計算されているか確認しましょう。そして会社側が違う計算をしているなら、ちゃんと請求・回収をしちゃいましょう。
実際に請求・回収をする方法は「会社を訴えるリスクは無い。退職時にお金を回収する方法」で紹介しています。
大きく分けて3種類の方法があるので、自分にあったやり方で回収しましょう。
よくある残業代の間違い
固定残業代だから働かせ放題になっている
ツイッター上では1番よく見るパターンです。「固定残業代」とか「みなし残業」とよく言われています。
固定残業代というのはざっくり言うと「何時間働いても同じ残業代とする制度」です。
ただし、注意点が2つあります。
- あらかじめ契約書や就業規則でどの手当が固定残業代扱いで、何時間分なのか明示すること
- 1で定めた時間分をはみ出て残業をした場合、固定残業代とは別に残業代を支払う
固定残業代を誤解しているのは、この2つを丸っきり無視しているんでしょうね。
例えば営業として就職したから、いくら働いても営業手当(数万円)しか付かないようなパターンですね。
1が無視されているケースなら、そもそも固定残業代ではない。つまり残業代を1円も貰っていないと主張できます。
2が無視されているケースなら、はみ出た分の残業代が未払い残業代となります。
固定残業代についてもっと詳しく知りたい方は「【固定残業代・みなし残業】計算例と仕組みを徹底解説」の記事もご覧下さい。求人票で給料を高く見せるウザい技の種明かしをしています。
土曜も出勤の会社だから残業代無しで週6日働いている
「ウチの会社は土曜日も出勤日だよ」って言われたから何の疑いもなく土曜日も出勤していませんか?しかも残業代無しで。
確かに残業代無しで土曜日にも出勤させる方法はあるんですが、そのためには「色んな条件」があります。
「色んな条件」とは例えば
- 土曜日と水曜日だけ半日で終わる
- 祝日がある月に1回だけ土曜日の出勤ある
というような条件です。こういったものを無視して「出勤日だから」という理由だけで残業代を払わずに出勤させてるのはアウトですね。
上のような条件を使った働き方は「変型労働制」といいます。これを悪用して全然お休み与えていない上に残業代も払っていない会社には未払い残業代の請求ができます。
変形労働制をもっと詳しく知りたい方は「残業時間の少ない求人票の罠を徹底解説【変形労働】」をご覧ください。変形労働制を悪用して、残業時間の少ない求人票を作っている仕組みの種明かしをしています。
手当はあるけど基本給が安いから残業代も安い?
基本給の金額をめちゃくちゃ低くして、その代わり手当をいくつか出している会社があります。
その結果、残業代の単価を安くしているようなケースがありますがこれは誤りです。
残業の単価を計算するときは、基本給だけでなくその他の手当(一部を除きますが)も含めて計算をします。
例えば
- 基本給15万
- 職務手当5万
- 総額20万円
というケースなら、総額の20万円を使って残業代を計算するのが正しい方法です。職務手当を除いた15万円だけで計算しているのは誤っているケースですね。
意図的に間違えてるか、うっかり間違えているのかはわかりませんが、未払い残業代として請求できる事例になります。
1日7時間勤務の仕事だから、1時間はサービス残業してる
多くの会社では1日8時間労働としていますが、中には7時間や7時間半労働という会社もあります。こういった会社であるのが、8時間以内での残業を計算していないというケースです。
例えば9時始業で17時終業(昼休憩1時間)だと7時間労働になりますよね。この会社で18時まで働いた場合、残業代はどうなると思いますか?
正式な計算方法は、「1.25の割増を付けない残業代を1時間分払う」です。
これを「8時間働いていないから残業代は0円だ!」という計算をしているのは誤りです。
残業代の一部未払いということで請求ができます。
日給制だから残業代が付かない
業種によっては月給制ではなく日給制で働いていることってありますよね。
こういった方々についてあるのが「1日〇〇円だからどれだけ残業しても同じだ!」というケースです。つまり「日給制=働かせ放題」になっているということです。
もちろんこんな働かせ放題なんて制度は誤りです。
正式な計算方法ではもちろん残業代が付きます。例えば9時間働いた日であれば1時間分の残業代が発生します。
働かせ放題になっているなら、未払いの残業代として請求ができます。
未払い残業代の請求方法
上で書いてきた残業代の誤りがあった場合、未払い分を請求することができます。在職中に請求するのは色々難しいと思うので、やるなら退職後がオススメです。
ちなみに僕は過去に2度の未払い残業代請求をしたことがあります。そのときの体験談は「未払い残業代の請求方法|労働基準監督署を使って回収するやり方」から読めますので、残業代の未払いがありそうな方は是非ご覧ください。
まとめ|よくある残業代の勘違い
- 固定残業代だから働かせ放題になってる
⇒固定残業代でも条件を守っていなければ未払い残業代として請求できる - 土曜も出勤の会社だから残業代無しで週6日働いている
⇒週6日働かせるには条件が必要。守っていなければ未払い残業として請求できる - 手当はあるけど基本給が安いから残業代も安い
⇒残業代の計算は基本給だけでなく手当も使って計算する - 1日7時間勤務の仕事だから、1時間はサービス残業してる
⇒8時間以下の労働時間でも残業になる - 日給制だから残業代が付かない
⇒日給制でも8時間を超えれば残業代が出る
残業代の未払いとしてありがちなケースを解説してみました。あなたの会社でも同じようなことが起きていないか確認してみましょう!
実際に請求・回収をする方法は「会社を訴えるリスクは無い。退職時にお金を回収する方法」で紹介しています。
大きく分けて3種類の方法があるので、自分にあったやり方で回収しましょう。