会社を訴える方法別のメリットデメリットを解説|未払い残業代の回収

2019年5月16日

この記事を書いた人

ベンゾー@元SEの社会保険労務士事務所職員

元SEで残業地獄を経験し退職 / 社会保険労務士事務所に転職 / 友人・知人がブラック企業でうつ病になったことを後悔 / 労働問題の専門家としてブラック企業からの脱出方法を発信中 / 退職代行利用経験1回 / 会社を労基に訴え経験2回/ 転職経験2回 / ブログのコンセプトは「ブラック企業で悩む人を法的に守る」「プロフィールはこちら

会社を訴える方法別のメリットデメリットを解説|未払い残業代の回収

お疲れ様です。辞めた会社から2回未払い残業代の回収をしたベンゾー(@zangyoujigoku)です。

この記事では未払い残業代を会社から回収する方法を紹介します。

回収する方法は3パターンあり、それぞれの結論だけを先に言うと以下の通りです。

回収方法 オススメの人
労働基準監督署 面倒でも良いから無料で済ませたい人向け
労働組合の退職代行 ついでに退職をする人向け
弁護士 すでに退職した人向け

※「回収方法」をクリックで解説部分へジャンプします

それぞれメリットとデメリットがありますので、詳しく解説していきます。

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ベンゾー

ちなみに僕自身は労働基準監督署を使って2回未払い残業代の請求をしたことがあります。

 

 

ブラック企業では残業代を正しく支払っていないケースが頻繁に見受けられます。

僕自身、会社からの相談役として本業で色んな企業を見ていますが、完璧に残業代を支払っている企業はすごく少ないと感じています。

しかし未払い残業代を会社に請求する従業員はすごく少ないです。

「従業員から未払い残業代の請求を受けた」という会社側からの相談はほとんどありません。

 

未払い残業代の請求をしないのには、色んな理由があるとは思いますが、

  • やり方がわからない
  • 誰に頼むべきかわからない
  • 面倒くさそう

といった理由で未払い残業代を諦めている方がほとんどなんじゃないでしょうか?

 

この記事では実際に2回未払い残業代を回収した僕が、3種類の回収方法のメリットとデメリットを紹介していきます。

それぞれ特徴がありますので、ご自身の状況に合った方法を使って未払い残業代の回収を成功させましょう!

 

この記事で伝えたいこと

  • 労働基準監督署を使うメリットとデメリット
  • 労働組合の退職代行を使うメリットとデメリット
  • 弁護士を使うメリットとデメリット
  • 正しい残業代の計算方法

 

労働基準監督署を使って未払い残業代の回収

労働基準監督署を使って未払い残業代を回収するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
  • 無料でできる
  • 他の従業員も恩恵を受けられる
  • 多少の強制力がある
デメリット
  • 平日の日中しか対応してない
  • 基本的に対面でのやり取り必須
  • 最悪動いてくれないこともある

 

労働基準監督署のメリット

何と言っても最大もメリットは「無料でできる」という点ですね。

他のやり方と比較すると、かかる費用は以下のようになります。

費用
労働基準監督署 完全に無料
労働組合の退職代行 27,000円
弁護士 回収額の20%+実費

 

 

また労働基準監督署の特徴として、訴えた本人だけでなく他の従業員も恩恵を受けることができるという点があります。

例えばとある部署の10名全員が残業代を貰っていなかった場合、その内1人が訴えることで残りの9人も残業代を貰うことができます。

労働基準監督署としての目的は、法律に反する行為の是正(違法状態を直すこと)なので、訴えた本人以外にも違法な部分があれば指摘することになるんですね。

 

訴えた本人からすれば、慈善事業みたいなものですね。別に自分には関係の無いことですから。

でもこの訴えによって、仮に1つのブラック企業が倒産したとします。

すると、そこで働いている人や、今後働く予定だった人達がブラック企業から搾取されることが無くなるわけです。

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ベンゾー

つまり、訴えた人のおかげで、何人もの人が救われるわけですね。そう考えると、他の従業員のために訴えるのも悪くないと思いませんか?

 

 

最後に「多少」ですが労働基準監督署には強制力があります。

行政機関なので「思いっきり強制力がある」のかと思いましたが、実は「多少」なんです。

ただ、これは裁判所と比べると劣るだけで、一般的に見れば十分な強制力です。

 

労働基準監督署から未払い残業代を指摘された企業をいくつか見たことがありますが、最後まで無視しているような会社は見たことがありません。

というのも、あんまり無視を続けていると「是正勧告」さらには「書類送検」と言って、問題が大事(おおごと)になっていくんです。

そうなると企業側としても対応が大変になるので、早い内に諦めて未払い残業代を支払うことが多いです。

POINT

  • 費用が無料
  • 訴えた本人以外も恩恵がある
  • 裁判所には劣るけど十分な強制力がある

 

労働基準監督署のデメリット

労働基準監督署のデメリットをひと言でいうと「面倒くさい」です。

まず行政機関であるため、基本的に平日の日中しか対応していません。

働いている場合は、そもそも相談をすること自体が困難です。

 

さらに言うと実際に会社を労働基準監督署に訴えるとなると、労働基準監督署へ実際に伺い、対面でのやり取りが必須になります。

もちろん平日の日中にです。

「ちょっと仕事の合間に行ってくる。」という気軽な話でもないので、有給休暇などを使って1日かけて行うようなイベントになります。

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ベンゾー

結構、面倒くさいんです。僕は2回やりましたが、「よく2回もやったなぁ」と今更ながら思います。

 

最後に注意点ですが、労働基準監督署は動いてくれない場合があります。

ちゃんと強い意思を持って挑めば問題ないんですが、本人がどっちつかずな態度でいると、相談だけで終わってしまうことがあります。

せっかく平日の日中にわざわざ行くんですから、ちゃんと労働基準監督署を動かしてきましょう。

POINT

  • とくにかく対応が面倒
  • 相談だけで終わりにされることも

 

【結論】労働基準監督署はこんな人にオススメ

労働基準監督署は行政機関であることから、無料で対応ができる反面、平日の日中しか対応していないという大きなデメリットがあります。

このことから、面倒でも良いから費用をかけずに未払い残業代を回収したい!という方にオススメです。

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ベンゾー

仕事を抜け出したり、休んだりするくらいなら費用をかけても構わない。という方は別の方法をオススメします。

 

労働基準監督署を使って未払い残業代を請求する方法は「未払い残業代の請求方法|労働基準監督署を使って回収するやり方」で解説をしています。

僕の実体験に基づいて注意した方が良いことも記載しています。労働基準監督署を使う方は是非ご覧ください。

 

労働組合の退職代行を使って未払い残業代の回収

労働組合の退職代行を使って未払い残業代を回収するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
  • 組合員が代わりに交渉をしてくれる
  • 成功報酬が無いので比較的安い
  • 24時間いつでも相談できる
デメリット
  • 退職時にしか使えない
  • 弁護士と比べると強制力が弱い

 

なお、労働組合の退職代行でおすすめなのは「退職代行SARABA」です。

退職代行SARABAの特徴や、実際に使ってみた感想は「労働問題の専門家が退職代行SARABAを使ってみた【徹底調査】」をご覧ください。

 

その他、退職代行全般で気になることがあれば、「【完全版】退職代行の不安をプロが丁寧に解説!体験談をもとに使い方から流れまでこれで完璧!」で退職代行に関するすべてのことを解説しています。

 

労働組合の退職代行のメリット

組合員が代わりに交渉をしてくれるという点は、非常に楽であり他の方法と比べても大きいメリットです。

やりとりは基本的にLINEだけになりますし、対応も24時間(深夜でも返事が来ます)やっています。

 

 

それでいて費用は27,000円となっています。

この金額は労働基準監督署と比較をすると高く感じますが、弁護士であれば成功報酬の20%が相場です。

つまり弁護士で言えば135,000円以上の回収に成功した場合、成功報酬が27,000円を超えます。

 

135,000円というと、だいたいですが月給25万円の人が75時間くらい残業した場合の金額です。

残業代の請求は過去2年にさかのぼって可能なので、75時間分の残業というと1ヶ月3時間+αくらいの残業×2年分くらいの時間です。

つまり、月給25万円の人が毎月4時間以上サービス残業をしていて、それを未払い残業代として回収できた場合、成功報酬が27,000円を超える計算になります。

POINT

  • とにかく楽
  • 月給25万円の人が毎月4時以上のサービス残業を請求する場合、弁護士費用が労働組合の退職代行の費用を超える

 

労働組合の退職代行のデメリット

まず退職代行というサービス上、退職時にしか使えないというデメリットがあります。つまり退職が済んでからだと、サービス上対応できないということです。

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ベンゾー

退職自体は終わっており、その後に未払い残業代を請求しようという方は、別の方法で請求することになります。

 

また弁護士と比べると強制力が少し弱いです。

一応デメリットとしましたが、正直なところ労働組合の退職代行も法律を盾にしている以上かなり強いです。

ただ、弁護士と比べてしまうと少し弱いというだけです。

POINT

  • 退職時にしか使えない
  • 弁護士に比べると強制力が弱い(それでも十分強い)

 

【結論】労働組合の退職代行はこんな人にオススメ

「退職時にしか使えない」というのが非常に大きいデメリットです。しかし、それ以外は大したデメリットもありません。

メリットとしては費用が安く、対応が楽。さらに24時間いつでも対応が24時間いつでもとなっており、多くのメリットがあります。

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そのため「退職時に未払い残業代の請求をしたい」という方なら、労働組合の退職代行1択ですね。オススメです。

 

なお、労働組合の退職代行は現在のところ「退職代行SARABA」という業者しかやっておりません。

退職代行SARABAの特徴や、実際に申し込んでから対応が終わるまでの流れは「労働問題の専門家が退職代行SARABAを使ってみた【徹底調査】」で紹介しています。

実際に使う前に読んでいただき、納得ができてからご利用してみてください。

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ベンゾー

「退職代行SARABA」は僕も使ったことのある、オススメできる業者です。

 

弁護士を使って未払い残業代の回収

弁護士を使って未払い残業代を回収するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
  • 強制力が最強
  • 全力で請求する
  • 証拠書類の開示請求ができる
デメリット
  • 費用が高い

 

弁護士のメリット

未払い残業代を専門にした弁護士であれば、未払い残業代の請求においては最強です。

他の業者や行政機関も強いですが、弁護士が裁判で勝訴した場合に比べると弱いです。

 

また、労働組合の退職代行と違って弁護士に入る報酬額は、回収できた未払い残業代の金額によって変わります。(成功報酬が回収額の20%)

そのため、弁護士は全力で取り組んでくれます。だって弁護士自身の報酬額に関わりますからね。

 

それから未払い残業代を請求する上で、タイムカードなどの証拠があるとスムーズに事が運びます。しかし、過去の分まで全部自分で用意するのは困難ですよね。

弁護士の場合は「開示請求」といって、会社側にタイムカードなどの証拠になる書類を提供するように請求することもできます。

 

弁護士のデメリット

弁護士のデメリットは費用が高いという点ですね。

ただ、「費用が高い=よりたくさん回収できた」ということになるので、嬉しいデメリットです。

 

弁護士にお願いすることのデメリットはこのくらいです。やはり未払い残業の専門家だけあって、デメリットが少ないですね。

 

【結論】弁護士はこんな人にオススメ

弁護士に未払い残業代の請求では、費用が高いというデメリットがありました。

したがって「すでに退職している人」にオススメです。

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ベンゾー

まだ退職していない場合は、先に紹介した労働組合の退職代行で行った方が費用を抑えることができます。

 

弁護士は各都道府県にたくさんおりますので、全部をこのブログで紹介することはできません。

とりあえず関東近辺に住んでいる方なら「弁護士法人アズバーズ」がオススメです。

こちらは、着手金と細かい実費(電話代や交通費)が無料なのがオススメポイントです。

 

 

関東近辺以外に住んでいる方「相談さぽーと」というサービスがオススメです。

こちらは法律問題に関する相談相手を、全国から探してくれるサービスです。

 

例えば北海道に住んでいる方が未払い残業代の請求をしたいときに「相談さぽーと」を利用すれば、近隣で未払い残業代を専門にしている弁護士さんを見つけてきてくれるわけです。

もちろんこのサービス自体の利用料は無料なので、気軽に使ってみてください。

「相談さぽーと」とは??

  • 全国のあらゆる法律の専門家を紹介するサービス
  • 無料で利用可能
  • 「自宅から1番近い労働問題を専門としている弁護士さん」を見つけられる

サービス内容の詳細は「【パワハラ・セクハラ・サービス残業】弁護士を無料で紹介する「相談さぽーと」のサービスを解説」で解説をしています。是非ご覧ください。

 

正しい残業代を貰っているかを確認

本業で色々な会社の労働状況を見ていますが、正しく残業代を払っていない会社は本当に多いです。

正しい計算方法を知らなかったという経営者であれば、ちゃんと僕から指導をすれば直してくれます。

でもわかっていて正しく計算をしていない経営者だと、指導をしてもなかなか従ってくれません。

 

残業代の計算で特に誤りが多いのは以下の5点です。

  1. 固定残業代だから働かせ放題になっている
  2. 土曜も出勤の会社だから残業代無しで週6日働いている
  3. 手当はあるけど基本給が安いから残業代も安い
  4. 1日7時間勤務の仕事だから、1時間はサービス残業してる
  5. 日給制だから残業代が付かない

これ全部誤りですからね。該当している方は未払い残業代がある方ってことになります。

 

経営者側がよく間違えているのは「2.土曜も出勤の会社だから残業代無しで週6日働いている」ですね。

一方従業員側がよく間違えているのは「3.手当はあるけど基本給が安いから残業代も安い」です。

 

それぞれ詳しい解説は「正当な残業代を貰ってる?未払いとして請求できる事例を解説」でしているので、上記5点に心当たりのある方は、是非ご覧ください。

 

まとめ|会社を訴える方法別のメリットデメリットを解説

未払い残業代の回収方法として「労働基準監督署」「労働組合の退職代行」「弁護士」を使った方法を紹介しました。

それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

※クリックで解説部分へジャンプします

【労働基準監督署】

メリット
  • 無料でできる
  • 他の従業員も恩恵を受けられる
  • 多少の強制力がある
デメリット
  • 平日の日中しか対応してない
  • 基本的に対面でのやり取り必須
  • 最悪動いてくれないこともある

 

【労働組合の退職代行】

メリット
  • 組合員が代わりに交渉をしてくれる
  • 成功報酬が無いので比較的安い
  • 24時間いつでも相談できる
デメリット
  • 退職時にしか使えない
  • 弁護士と比べると強制力が弱い

 

【弁護士】

メリット
  • 強制力が最強
  • 全力で請求する
  • 証拠書類の開示請求ができる
デメリット
  • 費用が高い

 

さらに回収方法別にオススメの人は以下の通りです。

回収方法 オススメの人
労働基準監督署 面倒でも良いから無料で済ませたい人向け
労働組合の退職代行 ついでに退職をする人向け
弁護士 すでに退職した人向け

※「回収方法」をクリックで解説部分へジャンプします

自分の状況に合った方法で、未払い残業代の回収を成功させてください!

 

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この記事を書いた人

ベンゾー@元SEの社会保険労務士事務所職員

元SEで残業地獄を経験し退職 / 社会保険労務士事務所に転職 / 友人・知人がブラック企業でうつ病になったことを後悔 / 労働問題の専門家としてブラック企業からの脱出方法を発信中 / 退職代行利用経験1回 / 会社を労基に訴え経験2回/ 転職経験2回 / ブログのコンセプトは「ブラック企業で悩む人を法的に守る」「プロフィールはこちら