【固定残業代・みなし残業】計算例と仕組みを徹底解説

2019年11月10日

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この記事を書いた人

ベンゾー@元SEの社会保険労務士事務所職員

元SEで残業地獄を経験し退職 / 社会保険労務士事務所に転職 / 友人・知人がブラック企業でうつ病になったことを後悔 / 労働問題の専門家としてブラック企業からの脱出方法を発信中 / 退職代行利用経験1回 / 会社を労基に訴え経験2回/ 転職経験2回 / ブログのコンセプトは「ブラック企業で悩む人を法的に守る」「プロフィールはこちら

【固定残業代・みなし残業】計算方法と仕組みを徹底解説

お疲れ様です。企業の求人票作成代行をしているベンゾー(@zangyoujigoku)です。

今回は「固定残業代(みなし残業)」という制度について、解説をしていきます。

この記事で伝えたい結論

  • 固定残業=みなし残業
  • 本来は残業抑制や事務作業効率化が目的
  • 本来の金額よりも給料が高く見える
  • 違法なことをしている企業も多い

 

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現役SEの北田さん

今転職活動してるんだけどさ、ここの会社の給料高くない?応募してみようかな。
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ベンゾー

どれどれ。あ~これは「高い」んじゃなくて「高くみせてる」だけだね。
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現役SEの北田さん

ん?どういうこと?高くないの?
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ベンゾー

高くないね。うまく見せてるけど、時給に換算したら結構安いよ。
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現役SEの北田さん

え~どういうこと??
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ベンゾー

「固定残業代」って言ってね、ある程度残業をすることをみこして、最初から手当に含めておくやり方があるんだよ。
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現役SEの北田さん

なにそれ。よくわかんないけど、そんなことやっていいの?違法じゃないの?
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ベンゾー

いやいや、これは合法なんだよ。この会社は「給料を高く見せる」っていう目的かもしれないけど、ちゃんと従業員のことを考えた目的でやってる会社もあるからね。
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現役SEの北田さん

知らなかった。危うく応募するところだったよ。
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ベンゾー

合法である以上、「知らなかった」なんて言っても無駄なんだよ。せっかくだから「固定残業代」について解説してあげるよ。
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現役SEの北田さん

わかりやすさ重視でお願いね!

 

転職活動をしている方にとって、「給料」は転職先を決める上で大事な要素。

では「固定残業代」という制度を知っていますか?

おそらく知らない方が大半じゃないかと思います。

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ベンゾー

「固定残業代」を知らないと、本当は給料の安い会社に間違えて入ってしまう可能性が高いです。

 

実は「固定残業代」を採用している会社の給与は、非常に高額に見えるんです。

「高額に見える」というように、実際は高額ではないんです。

 

今回、本業で企業の求人票作成代行をしている僕が、「固定残業代」について解説をしていきます。

この記事でわかること

  • 固定残業代やみなし残業の制度について
  • 制度の問題点、注意すべきこと
  • 「本当は給料が安い」具体的な計算例
  • 違法な事例

 

固定残業以外にも求人票にはチェックしておくべき項目があります。

その他の項目については「求人票の見方|ブラック企業を避けるために見るべき項目と知るべき制度」で紹介しています。合わせてご覧ください。

 

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固定残業とみなし残業は同じ

まず固定残業と似たような用語で「みなし残業」というものがあります。

ややこしくなるといけないので、最初に言っておきます。

固定残業とみなし残業は呼び方が違うだけで、まったく同じ制度です。

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ベンゾー

この記事の中では「固定残業」という用語を使って解説していきます。

 

固定残業とは?一定時間までの残業代を固定化する制度

まずは固定残業という制度について解説をします。

ざっくりと説明すると、「一定時間までの残業代はすべて〇〇円とする」という制度です。

 

固定残業というのは、あらかじめ決めておいた時間までなら、残業代を定額にできる制度です。

例えば「残業30時間までは6万円を固定残業代として支払う」といった感じですね。

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現役SEの北田さん

残業が40時間までいった場合はどうなるの?
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ベンゾー

その場合は差分の10時間を通常の残業代として追加で支払うことになるよ。
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現役SEの北田さん

じゃあ残業が20時間しかしなかった場合は?
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ベンゾー

その場合でも30時間分の残業代として6万円を支払うことになるよ
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現役SEの北田さん

え?それって会社側にメリットあるの??
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ベンゾー

金銭的にはまったく無いね。ただ、他のメリットがあるから採用している会社は結構あるんだよ。

 

固定残業の本来の目的と使い方|会社側のメリット

残業の抑制|早く帰っても給料が同じ

固定残業代は残業時間の抑制に有効な制度なんです。

 

従業員目線で考えると、一定の時間までであれば、どれだけ働いても給料が変わらなくなります。

つまり毎日定時で帰っても、固定残業の時間ギリギリまで働いても同じ給料というわけですね。

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ベンゾー

それならさっさと帰ってしまった方が得ですよね。だから残業をしないように進んで努力してくれるようになるわけです。

 

会社目線で考えると、従業員が早く帰ってくれるなら、翌日の仕事能率アップや健康促進に期待できるというメリットがあります。

また、近頃は長時間労働に厳しくなってきているので、生活残業をするような従業員への対策として有効な手段なんです。

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現役SEの北田さん

確かに自分の会社が固定残業代を使ってたら、1分でも早く帰れるように努力するかも。

 

事務作業の効率化|給与計算が楽になる

みなさんの給料はおそらく会社の総務課の方が計算されていると思います。

その総務課の方の作業効率化として、固定残業代は有効な制度なんです。

 

残業時間の集計って実は結構大変な作業なんです。

従業員の出退勤時間を集計したり、休憩時間を差し引いたり、深夜労働がないか確認をしたり。

そんな作業を給料の締め日から支払日の間に終わらせないといけません。

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ベンゾー

僕も給与計算の代行をしているから、苦労がわかります!

 

会社によっては、残業の集計だけは翌月の給与に加算することにして、時間的な余裕を作るところもあります。そのくらい残業の集計は面倒な作業なんですね。

ところが固定残業代制度を使っている場合は、はみ出さない限り同じ給料になりますよね。

そのため給与計算にかかる時間を大幅に減らすことができるのです。

会社側からすると業務効率化として有効な制度ということです。

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現役SEの北田さん

給与計算ってそんなに大変なんだ。だから給料日前になると総務課の人がバタバタしてるんだね。

 

固定残業の問題点と計算方法

本来の金額よりも給料を高く見せられる

固定残業は、本来の金額よりも給料を高く見せることができるんです。

 

転職活動をする中で注目するポイントの1つとして「給与」がありますよね。

雇用契約書や求人票で給与を記載するとき、基本給の他に手当を書いたりします。

 

このとき普通は「残業代が〇〇円」とかって書くことはできません。

だから・・・

  • 基本給や手当が低い
  • 残業が多いから残業代で給料が高くなる

こんな会社は、雇用契約書や求人票上では給料が低く見えるんです。

 

しかし固定残業代の場合は、雇用契約書や求人票に金額を書くことができます。というか書かないとダメです。

だから・・・

  • 基本給や手当が低い
  • 固定残業代を高く設定

こんな会社は、雇用契約書や求人票上では給料が高く見えるんです。

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ベンゾー

文章だけの説明だとわかりにくいと思うので、例を使って解説してみます。

 

給料が高く見える具体的な計算例

以下のようなA社とB社があります。

A社 B社
勤務時間 1日8時間 1日8時間
休日 土日 土日
基本給 200,000円 210,000円
営業手当 20,000円 30,000円
月の残業時間 35時間 35時間
固定残業制度 30時間分の固定残業 固定残業は無し

赤文字の部分がA社とB社の違いです。

 

A社よりもB社の方が、基本給も営業手当も1万円ずつ高い

そしてA社では30時間分の固定残業制度を利用しており、B社では利用していないという設定です。

 

この場合、雇用契約書や求人票で記載できる給与額は以下のようになります。

A社 B社
基本給 200,000円 210,000円
営業手当 20,000円 30,000円
固定残業代
(30時間分)
46,875円 0円
合計 266,875円 240,000円

この時点だと、ぱっと見ではA社の方が給料が高く見えませんか?

しかし実際にA社とB社で35時間の残業をした場合、支払われる給料は以下のようになります。

A社 B社
残業時間 35時間 35時間
基本給 200,000円 210,000円
営業手当 20,000円 30,000円
固定残業代
(30時間分)
46,875円 0円
残業手当 (はみ出した5時間分)
7,813円
(35時間分)
47,728円
合計 274,688円 287,728円

結果はB社の方が287,728-274,688=13,040円高いということになります。

「雇用契約書や求人票ではA社の方が高そうに見えるのに、実際はB社の方が高い」という例でした。

 

もちろんA社に入って残業が30時間を超えないように働けば、その方が得します。

しかし、このような狙いのある会社では、だいたい固定残業代として設定した時間(今回でいう30時間)を超えるのが常態化しています。

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ベンゾー

つまり、固定残業代を使っている会社の場合、ぱっと見の金額だけで決めてはいけない。ということですね。
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現役SEの北田さん

マジか。知らなかったら絶対A社に入ってる。

ちなみにこの手法は違法ではなく、合法です。したがってA社に入ってから気が付いても、「理解してないあなたが悪い」と言われるだけです。

 

ブラック企業によくある違法な事例

固定残業代を使う場合、以下の内容を雇用契約書や求人票で明記するように周知されています。

① 固定残業代を除いた基本給の額

② 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法

③ 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨

※厚生労働省-固定残業代に関するパンフレットより引用

しかしブラック企業の中には固定残業について明記せずに使っていたり、記載内容に反した運用をしているケースが見受けられます。

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ベンゾー

以下でブラック企業によくある違反内容を詳しく解説していきます。

 

求人票や雇用契約書に、金額や時間の記載がない

従業員が知らない内に実は固定残業で働かされていた。そんなケースがあります。

違法な固定残業

  • なんとなく営業だから営業手当を払っており、いつの間にか固定残業扱いになっていた
  • 「固定残業とする」という記載はあるけど、具体的に何時間分なのか記載していない

給与明細を見て残業代の支給が無かったから確認をしてみたら・・・

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社長

営業手当が固定残業代だから、残業代は出ないよ
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従業員

固定残業代を使ってるって、今初めて聞いたんだけど・・・

というようなケースですね。これは明らかに違法です。

 

一定時間を超えても追加の残業代が出ない

固定残業代使っている=残業代は一切払わなくて良い

というように誤認している経営者も少なくありません。(わざと誤認しているのかも・・・)

もちろんこれも違法です。

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従業員

先月は80時間も残業したのに、追加の残業代が1円も出ていない・・・固定残業代は10時間分くらいしか出てないのに。

というケースですね。

実際に残業をしている時間に比べて、明らかに固定残業代の金額が少なければ違法の可能性が高いですね。

そもそもこういったケースでは、先に書いたように「固定残業代が何時間分なのか」という旨が明記されていないことが多いので、その時点でアウトです。

 

固定残業代を除くと最低賃金を下回っている

これは少しわかりにくいです。

「最低賃金」というものがあります。この最低賃金を下回るような時間単価で働かすことは、違法になるという制度です。

経営者の中には・・・

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社長

わが社は給料が高い(固定残業代を含む)から最低賃金を下回る心配は無い

と安心している方もいます。

でも時間単価を計算するときは、固定残業代は除いて計算しなければなりません。

 

例えば給料総額180,000円の中に45時間分の固定残業代(45,000円)が含まれているとします。

一般的な会社であれば、上記の例だと時間単価は785円くらいになります。

地域にもよりますが、785円という金額は最低賃金を下回っており、直ちに違法となります。

 

この話を理解するには、固定残業以外に「単価の計算方法」も理解している必要があります。ちょっと難しいですね。

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ベンゾー

目安として、固定残業があるにも関わらず、給料が20万円を下回るようなら最低賃金に反している可能性が高いです。

単価の計算方法も知りたい方は「給料が高くても単価は安い?あなたの1時間の価値を労務のプロが解説」をご覧ください。

この記事でわかること

  • 所定労働時間が違うと単価が変わる
  • 総額は高いけど、単価は安い事例
  • サービス残業でどのくらい単価が下がるか

 

まとめ|固定残業の計算方法と仕組みを徹底解説

この記事で伝えたい結論

  • 固定残業=みなし残業
  • 本来は残業抑制や事務作業効率化が目的
  • 本来の金額よりも給料が高く見える
  • 違法なことをしている企業も多い

固定残業代を使って、求人票上や契約書上は給料が高く見えるというケースを、事例付きで紹介しました。

 

繰り返しになりますが、ちゃんと運用している場合は合法です。

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ベンゾー

だから固定残業制度を理解せずに入社して、思ったより給料が低かったとしても「理解していないあなたが悪い」となります。
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現役SEの北田さん

ちゃんと理解しておかないといけないのはわかったけど、やっぱり難しいなぁ。転職活動中にすぐに判断できるかな・・・

確かに固定残業の制度は難しいですね。何が合法で何が違法なのかは、すぐに判断するのは難しいと思います。

そういう方には、固定残業を悪用するようなブラック企業をあらかじめ紹介しない転職サイトを利用するのが良いです。

 

僕がオススメするのは「ウズキャリ」という転職サイトです。

オススメな理由を簡単に言うと、「ブラック企業を完全排除!」した独自の手法や、転職支援の内容が素晴らしかったからです。

どんな内容だったのかは「ブラック企業の無い転職サイト|ウズキャリをオススメする2つの理由」からご確認ください。

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ベンゾー

ブラック企業排除にかなり力を入れていることが伺えます!

 

今回紹介した固定残業以外にも求人票にはチェックしておくべき項目があります。

その他の項目については「求人票の見方|ブラック企業を避けるために見るべき項目と知るべき制度」で紹介しています。合わせてご覧ください。

 

この記事を書いた人

ベンゾー@元SEの社会保険労務士事務所職員

元SEで残業地獄を経験し退職 / 社会保険労務士事務所に転職 / 友人・知人がブラック企業でうつ病になったことを後悔 / 労働問題の専門家としてブラック企業からの脱出方法を発信中 / 退職代行利用経験1回 / 会社を労基に訴え経験2回/ 転職経験2回 / ブログのコンセプトは「ブラック企業で悩む人を法的に守る」「プロフィールはこちら

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