年間休日〇〇日ってどれくらい?土日祝の休め具合を解説
お疲れ様です。労働問題の専門家をしているベンゾー(@zangyoujigoku)です。
今回は求人票に書かれている「年間休日」について紹介します。
この記事で解説すること
- 年間休日に含めるお休みと含めないお休み
- 休日出勤とお休みの日の関係
- 年間休日数の計算方法
- 年間休日数から土曜日の出勤数を逆算
- 年間休日と時間単価の関係
あなたが会社選びをする中で重要視するポイントはどこですか?
僕はブラック企業で長時間労働をしていたこともあって、以下の順番に重要視しています。
- 労働時間(休日数、残業時間)
- 給料
- 業務内容
- その他
求人票をいくつか見ていると「年間休日数」という項目が会社によってバラバラであることに気付きませんか?
「年間休日数」は同じ業界や職種であってもバラバラであることが多いんです。
もちろん休日は多い方が良いわけですが、誰しもが休日数の多い会社に就職できるわけでもないですよね。
ちゃんと年間休日の意味を理解しておかないと、思いがけない出勤日があったり、家族や友人と休みのタイミングが合わない。なんてことになりがちです。
それに年間休日数が少ないと実は残業代も減ることになります。
という方も、ちゃんと年間休日を見ておきましょう。
じゃないと「残業いっぱいしたけど残業代が少ないぜ!」ってなっちゃいますよ。
年間休日を理解しないデメリット
- 思いがけない出勤日がある
- 家族友人と休みのタイミングが合わない
- 残業代が減る
会社を辞めたくなってから転職活動をすると・・・
- 早く転職したくて会社を選ぶ余裕が無かった
- 焦って変な会社の内定で妥協する
- ブラック企業に入った新入社員
- 転職で失敗したくない人
年間休日に「含む休み」と「含まない休み」
実は「年間休日」って言っても、お休みの日全部を言うわけではないんです。
お休みの日の中にも、求人票上の年間休日には「含む休み」と「含まない休み」で分かれています。
そもそも「お休みの日」自体が会社によってバラバラなので、ここでは以下のような「お休みの日」がある会社について考えてみます。
- カレンダー通りに「土日祝」が休み
- 「夏季休暇」と「年末年始休暇」がある
- 「有給休暇」がある
- 冠婚葬祭で使う「慶弔休暇」がある
- 子供が熱を出したときに「看護休暇」がある
- 出産時の「産前産後休業」「育児休業」がある
- その他、特別なイベント時に休める「特別休暇」がある
このお休みを年間休日に「含む休み」と「含まない休み」に分けると以下のようになります。
年間休日に含む休み
- 土日祝日
- 夏季休暇と年末年始休暇
年間休日に含まない休み
- 有給休暇
- 慶弔休暇
- 看護休暇
- 産前産後休業と育児休業
- 特別休暇
年間休日に有給休暇を含めている求人はブラック
年間休日の中に「含む休み」と「含まない休み」の解説をしました。
この解説でもわかるように「有給休暇」は年間休日に含めません。
しかし稀に年間休日に有給休暇を含めて書いている求人があります。
休日出勤の扱いが違ってくる
年間休日の話で大事なのが「休日出勤」です。
元々土曜日がお休みの会社だけど、諸事情で土曜日に出勤した場合、その出勤は残業として扱います。
しかし土曜日が出勤日の会社だから出勤した場合、その出勤は残業ではないんです。
もの凄く極端な話をすると、年間休日が120日あるけど超忙しいから休みの日は毎回出勤している場合は休日出勤120回となります。
対して年間休日が0日だから毎日出勤している場合は休日出勤0回となります。
つまり休日出勤分の残業代が全然違ってきますね。
※極端な話ということで、色々法律を無視した例です
年間休日数の計算方法|124日から引き算をする
年間休日の多い会社を選ぶためにまずは、年間休日数の計算方法を紹介します。
先に述べている年間休日に含むお休みの日を数えるだけでOKです。
年間休日に含む休み
- 土日祝日
- 夏季休暇と年末年始休暇
年間休日に含まない休み
- 有給休暇
- 慶弔休暇
- 看護休暇
- 産前産後休業と育児休業
- 特別休暇
例えば毎週土日と祝日がお休みの場合は以下のようになります。
まずは土日の回数。
土日の回数=52×2=104
※52というのは1年間の週の数です。
次に祝日の回数。
祝日の回数=16
※祝日は令和になってからは多少変わりましたが、基本的に減ることはあんまりないです。
ちなみに日曜日と祝日が重なると翌日が振替休日になりますが、土曜日と祝日が重なった場合は休日が無くなるので、祝日による休日の数は減る場合があります。
最後に夏季休暇と年末年始休暇の回数。
夏季休暇と年末年始休暇は、特に休まなければならないという法律がないので、会社によって日数が異なることが多いです。
場合によっては0日という会社もありますが、多くの会社が土日祝日を含めない夏季休暇が3日程度、年末年始休暇が7日程度です。つまり合計10日程度ですね。
土日+祝日+夏季休暇と年末年始休暇をすべて足すと以下のようになります。
104+16+10=130日
ここから土曜日と祝日が重なる日と、夏季休暇や年末年始と土日祝日が重なる日を除きます。
少なくとも元日(祝日)と年末年始休暇(1月1日)は重なるのでマイナス1日は確定ですね。年によりますが、だいたい6日くらい除くことになります。
つまり130-6=124日
これが土日祝日が休みで夏季休暇と年末年始休暇のある会社での年間休日数になります。
土日祝日がお休みの会社
- 土日・・・104日
- 祝日・・・16日
- 夏季休暇と年末年始休暇・・・10日
- 祝日と重なる日・・・-6日
- 合計・・・104+16+10ー6=124日
例えば第2第4土曜日は出勤する会社の場合、年間で24回土曜日出勤があることになります。
祝日や夏季休暇・年末年始休暇と土曜日が重なって、結局休みになる場合も考慮しても年間で20回くらい土曜日出勤があることになります。
つまり124-20=104日
これが年間休日数ということですね。
年間休日数から土日祝日の休み具合を逆算
年間120日以上の場合|土日祝日は全部休み
まずは年間休日「120日以上」と記載されているケースです。
「年間休日の計算方法」で書いたように、土日祝日が全部お休みで、夏季休暇と年末年始休暇が合計10日くらいある会社の場合、年間休日は124日くらいになります。
つまり年間休日数が120日以上となっている場合がこれに該当します。
広い意味で事務系の職業の場合、だいたいがここに該当します。
逆に事務系なのに、年間休日数が120日未満の場合、積極的に選ぶべきではないですね。
年間休日120日以上
- 土日祝日が全部お休み
- 事務系の職業ならこのくらい休む
年間110日~118日の場合|月に1回土曜日出勤
年間休日110日~118日の会社は、基本的に土日祝日がお休みだけど、月に1回だけ土曜日に出勤のあるような会社です。
年間の土日と祝日を足すと104+16=120日になります。ここから月に1回の土曜日(年間で12回)を除くと108日になります。
あとは夏季休暇や年末年始休暇を足すことで、110日~118日程度になりますね。そのため「110日~118日」という表記になります。
一般的に土曜日も仕事をしていることの多い業種として
- 工業関係(建築、運送、工事など)
- 福祉関係(医療、介護など)
この辺りがあげられます。
この業種では月に2回の土曜日出勤か、毎週土曜日出勤という会社が多いです。
そんな中で土曜日出勤が月に1回だけというのは、休みの多い方になります。
土曜日も仕事をすることの多い業種に就職希望しているのであれば、年間休日110日~118日は比較的休みの多い会社になります。
もし、この休日数で給料が他社と同水準であれば、ホワイト企業の可能性が高いです。
休みが多いのに経営できているということは、他社に負けない何か(ブランド力、技術力など)を持っていたり、従業員を大切にする考えの会社であることが予想されます。
一方で土曜日を完全に休日としていることの多い業種なのに、年間休日が110日~118日と言う場合は他の会社に比べて出勤数が多いことになります。
もし給料が他社と同水準なのであれば、ブラック企業の可能性が高いです。
休みが少ないのに給料が同じということは、他社との競争によるシワ寄せを従業員の労働力で調整しているということです。
つまりブランド力や技術力といった要素を持っていない上に、ノウハウの蓄積による業務の改善すら困難(人の入れ替わりが激しい)という状態です。
従業員の給料を安くすることでなんとか保てているだけで、将来性の無い会社ですね。
年間休日110~118日
- 月に1回土曜日に出勤あり
- 土曜日も仕事をすることが多い業種(工業関係、福祉関係など)なら休みが多い方だからオススメ
- 事務職であれば休みが少ない方だからオススメできない
年間105日前後の場合|月に2回土曜日出勤
年間休日105日前後の会社は、おそらく月に2回の土曜日出勤がある会社です。
年間の土日と祝日を足すと104+16=120日になります。ここから月に2回の土曜日(年間で24回)を除くと96日になります。
あとは夏季休暇と年末年始休暇を足すことで、だいたい105日前後となります。
この日数も土曜日に仕事をしていることが多い業種かどうかで判断が分かれます。
一般的に土曜日の仕事が多い業種は
- 工業関係(建築、運送、工事など)
- 福祉関係(医療、介護など)
です。
休日数が105日前後というのは土曜日の仕事が多い業種であれば、いたって普通の会社です。
土曜日が完全に休日であることの多い業種なのに、年間休日が105日前後と言う場合は要注意です。
給与水準が他社よりも高い場合、長時間労働をしている可能性が高いです。会社として営業力があるため受注量がすごい反面、それをこなすだけの労働力が足りていない可能性が高いです。
もし給与水準が他社と同程度あれば、これといって話す必要のないくらいブラック企業です。
年間休日105日前後
- 月に2回土曜日出勤がある
- 土曜も働く業種ならよくある休日数
- 事務職ならわざわざ選ぶ必要のない会社
年間休日103日以下の場合|土曜も祝日も出勤
年間休日103日以下という会社は、土曜日の出勤に加えて祝日も出勤しているような会社です。
年間の土日だけで104日あるので、少なくとも1回以上は出勤をしています。さらに夏季休暇や年末年始休暇で休んでいるのであれば、その分土曜や祝日に出勤している計算になりますよね。
一般的に土曜日の仕事が多い業種は・・・
- 工業関係(建築、運送、工事など)
- 福祉関係(医療、介護など)
です。
土曜日の仕事が多い業種であっても103日以下と言う場合は、規模の小さめの会社が多いです。
割とマンパワーでなんとかしようという会社ですね。
この休日数で給料が普通以下であれば、わざわざ入社する必要はないでしょう。
年間休日103日以下
- 土曜に加えて祝日も出勤
- 休日以外の条件がよっぽど良くなければ選ぶ必要のない会社
休日が少ない=単価が安い=残業代が安い
休日が少ないというのは、実は残業代が少なくなってしまうんです。
それは残業代の計算が「1時間辺りの単価」を使って計算するからです。
残業代の計算は、1時間辺りの単価×残業時間×1.25で算出します。
具体的に言うと「1時間辺りの単価」が1,000円の会社で10時間の残業をすれば、残業代は12,500円です。
しかし1,500円の会社で10時間の残業をすると、残業代は18,750円です。
「1時間辺りの単価」は月給÷労働時間で求めますので、休日の多い会社の方が「1時間辺りの単価」が高くなるわけです。
年間休日と残業代の関係
- 残業代=1時間辺りの単価×残業時間×1.25で計算
- 1時間辺りの単価=月給÷労働時間
- つまり労働時間が短いほど、残業代の単価が高くなる
- 年間休日が少ない=単価が安くなる=残業代が安くなる
例えば以下のような会社Aと会社Bで計算してみますね。
会社A | 会社B | |
月給 | 30万円 | 30万円 |
1日の労働時間 | 8時間 | 8時間 |
年間休日数 | 124日 | 112日 |
違いは年間休日数です。
イメージとしては会社Aは土日祝日全部お休み。会社Bは毎月土曜日は1回だけ出勤という会社です。
会社Aは月の労働時間が約160時間。会社Bは約168時間になります。
「1時間の単価=月給÷月の労働時間」なので・・・
- 会社A・・・単価は1,870円
- 会社B・・・単価は1,785.7円
となりますね。
仮にこの状態で月に30時間残業をした場合の残業代は・・・
- 会社A・・・70,125円
- 会社B・・・66,965円
差額は約3,000円ですね。
「1時間辺りの単価」については「給料が高くても単価は安い?あなたの1時間の価値を労務のプロが解説」でもっと色々な例を使って解説しています。
労働時間によっては月給30万円の会社より、25万円の会社の方が「1時間辺りの単価」が高くなるという例も紹介しています。
よくわからなかったけど、転職失敗したくないという方へ
年間休日の仕組みを解説してみました。
でも・・・
- 一通り解説を読んだけど理解できたか不安
- そもそも求人票に嘘が書かれてそうで心配
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まとめ|「年間休日〇〇日」ってどれくらい?
この記事で伝えたい結論
- 年間休日数とは年間のお休みの日の数
- 有給休暇は含めない
- 土日祝日全部足すと120日
- 夏季休暇と年末年始休暇を足すと10日ほど
- 年間休日120以上は休みが多い方
- 年間休日110〜118日は月に1回土曜日出勤があるような会社
- 年間休日105日前後は月に2回土曜日出勤があるような会社
- 年間休日103日以下は土曜日の出勤と祝日の出勤があるような会社
- 年間休日が少ない=残業代が安くなる
年間休日が少ないとそれだけでも嫌なことですが、残業代まで安くなってしまうという話をしてみました。
「いっぱい稼ぎたいから休日なんていらない!」という方もいますが、単純に年間休日が少ない方が稼げるというわけでもないんですね。
ちゃんとした休日日数の会社を見つけたら、次は会社の口コミ情報を見てみましょう。
口コミはあくまでも退職したイチ従業員の所感です。あんまり信用しすぎない方が良いです。
口コミを書いた人と同じ所属になるわけでもないですし、同じ上司に当たるわけでもありません。
所属や上司が違えば、雰囲気はガラッと変わりますからね。
というわけで僕が口コミサイトを使う上で重要しするのは、「早く口コミが見られること」です。
- 「この口コミサイトは信頼性が・・・」
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- 「便利な転職サービスが付いてて・・・」
といった情報は一切不要と考えています。
そんな考えのもとで、早く口コミを見れるサイトをまとめた結果を「【5社を登録退会して確認】会社の評判だけサクッと見られる口コミサイト」で紹介しています。
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