会社に「個人事業主や外注にならないか」と提案されたら今すぐ逃げろ

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この記事を書いた人

ベンゾー

SEとして残業100時間超の中働き、20代後半で退職。その後、社会保険労務士事務所へ転職し「労務のプロ」と名乗る / 友人知人をうつ病へ追いやったブラック企業が嫌い / 労務のプロ目線でブラック企業からの脱出方法を発信中 / 退職代行利用経験1回 / 会社を労基に訴え経験2回/ 転職経験3回 / 息子のおしりを触るのが好き「プロフィールはこちら

会社に「個人事業主や外注にならないか」と提案されたら今すぐ逃げろ

お疲れ様です。SEから労務のプロ(社会保険労務事務所職員)へ転職したベンゾー(@zangyoujigoku)です。

この記事では会社から「外注や個人事業主として働かないか?」と提案されたときの対処方法について紹介します。

この記事を読んで欲しいのは「20代前半」くらいの世代です。特に「女性」は必見です。

あなたはある日突然、会社の人事から呼び出され「今度から会社の外注や個人事業主として働いてみないか?」と提案をされます。

なんだかよくわからないけど、人事は色んなメリットがあることを伝えてきました。

とりあえずその場は「検討するように」と言われて終わり。でもわからないことだらけで、ぶっちゃけこの話を受けて良いのか?

この話は実際に僕の妻が独身時代に会社から受けた内容です。

 

もし同じような提案が会社から来た場合、どうするべきだと思いますか?

先に結論を言うと「断る」もしくは「退職する」のどちらかを選択するべきです。少なくてもこの話を受けるのだけは止めるべき。

なぜこういう判断になるのかを、労務のプロであり実際に同じ経験をした妻を持つ者として解説します。

 

ちなみに僕の妻は何も知らずにこの話を受けてしまいました。今後こういう被害者を増やさないためにも、この記事を書くことにします。

 

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個人事業主や外注で働くメリット

まずは個人事業主や外注で働くことのメリットを見ていきましょう。この中のいくつかは実際に言われているんじゃないでしょうか?

成果の分だけ給料が出るからやりがいがある?

外注や個人事業主の給料(厳密には報酬と言いますが)は成果に対して支払われることが多いです。

それに対して普通の従業員は労働時間や日数によって給料が支払われます。

この2つはどのようなときに違いが出るのでしょうか?

 

例えば高額商品の販売に成功した場合、外注や個人事業主なら報酬がどんどん上がっていきます。いわゆる青天井ってやつですね。

それに対して従業員は残業でもしない限りは給料が上がることはありません。歩合給が付く会社もありますが、会社が決めたルールに従って支払われるだけなので、安くても文句を言うこともできませんよね。

 

もちろん成果が全然出なかったときには、外注や個人事業主なら給料が全然出ません。最悪0円ということもあり得ます。

しかし従業員なら遅刻や欠勤が無い限り、最低限の給料は支払われます。

外注や個人事業主をひとことで言うなら「完全に実力の世界」ですね。

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ベンゾー

外注や個人事業主は成果でしかお金が発生しません。従業員なら最低限の給料は保証されています。

 

保険や税金の天引きが無いから手取りが増える?

外注や個人事業主は給料からお金を引かれることがありません。

一方で従業員が給料から引かれるのは主にこの4つ。

  1. 健康保険
  2. 厚生年金
  3. 所得税
  4. 住民税

給料の金額にもよりますが合計で3万円くらい引かれてる人が多いんじゃないですかね。

元々安い給料がもっと安くなったりして「今月も生活費ギリギリだなぁ」なんて言っていませんか?

 

じゃあ外注や個人事業主で働いた方が得なのかっていうと、そんなことはありません。

外注や個人事業主は給料から引かれないだけで、別途保険や税金を支払うことになります。だから結局得はしません。

むしろ健康保険や厚生年金なんかは従業員の方が使うときの恩恵が強いので、それを使えない分外注や個人事業主は損をしているとも言えます。

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ベンゾー

保険や税金は結局支払ってる。むしろ従業員の方が恩恵が強い。だから外注や個人事業主の方が損してます。

 

日用品を経費にできるから節税できる?

外注や個人事業主なら、食事代や電気代、備品の購入なんかのお金を経費にできる場合があります。

その結果、所得税や住民税が安くなることがあるんですね。

 

たしかに普通の従業員の場合「経費にする」という考えが無いです。

ただ、従業員にも「給与所得控除」というものがあります。

 

「給与所得控除」というのは「普通、仕事をしてたら色々お金かかるよね。だからだいたいの金額を経費みたいな扱いにしておくよ」というものです。

つまり外注や個人事業主で言うところの「経費」です。

 

この「給与所得控除」がいくらくらいになるかは国税庁のHPに計算方法が載っています。たまに法改正で変わりますが、例えば年収300万円の人なら100万円くらいです。

外注や個人事業主で得をするには、がんばって100万円分くらいレシートを集めないといけないわけですね。

しかも外注や個人事業主は「確定申告」が必要になります。確定申告については後述するデメリットでも触れておきますね。

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ベンゾー

経費にできるメリットはあります。でもコスパはあんまり良くないですね。

 

好きな時間に働ける?

外注や個人事業主は基本的に時間の縛りが無いんですね。だから好きなときに働いて好きなときに休むことができます。

極端な話、納期の1日前に全部終わらせることで、それ以外の日は全部お休み!ってことも可能です。

朝早起きする必要も無いし、好きなだけ夜更かしすることもできるわけですね。

ってここだけ見ると、めちゃくちゃ理想的な生活に見えますよね。

 

これは本来の外注や個人事業主の働き方です。

しかし冒頭のような提案をしてくる経営者の場合、なんだかんだ言い訳をして普通の従業員と同じように時間で縛ることが目に見えます。なんなら朝礼の出席や朝の掃除までやらせるかもしれません。

一応言っておきますが、これ違法です。こんなことをしている会社は、いつ行政の指摘が入って倒産してもおかしくありません。

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ベンゾー

うっかり従う人もいますが、普通に違法です。アウトです。

社長になれる?

外注や個人事業主っていうのは広い意味で「社長」です。

だからって「君も明日から社長だ!」とか言われてウキウキしてる場合じゃないですよ。

その「社長」という肩書、完全に飾りですから。

まったく役に立たない肩書です。

 

個人事業主や外注で働くデメリット

続いて個人事業主や外注で働くデメリットを見ていきましょう。主に僕の妻の実体験です。

 

体調を崩して収入が激減

どんなに体の強い人でも病気になることはありますよね。人から感染することだってあり得ます。

そんなとき、普通の従業員なら「有給休暇」を使えば給料が減らされることなく休むことができます。

しかし外注や個人事業主の場合、成果をあげた分だけお金が貰えるわけなので、働かないとお金が入らないんですよね。

 

僕の妻は40万近く稼いだ次の月にほぼ0円だったこともあります。平均すると20万ですね。あんまり前月にがんばった意味が無い金額です。

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ベンゾー

「安定した収入」のありがたさがわかるエピソードでしたね

仕事が取れないと何もすることが無い

仕事の内容にもよりますが、仕事が無いと何にもすることがありません。

僕の妻は、仕事場で1日中マンガアプリを読んでいたこともありました。

 

普通の従業員でこんな仕事なら最高ですよね。マンガ読んでるだけで給料もらえるなんて。でも、外注や個人事業主の場合は容赦なく「成果0円」となります。

もちろん空いた時間にスキルを伸ばしたり、集客活動をすることもできますけど、そういう向上心が無ければ無駄な1日となるだけです。

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ベンゾー

これに関しては時間を有効利用できる人もいますね

割と時間の拘束があった

メリットのところでも書きましたが、外注や個人事業主は本来だと時間の拘束がありません。

つまり成果さえ出せば、いつ働いてもOKなんです。

 

ところが悪質な経営者の場合、「朝は8時に出勤するように」とか言って平気で時間の拘束をしてこようとします。

もちろん会社側が違法です。

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ベンゾー

僕の妻も個人事業主なのになぜか「遅刻」という概念がありました。

 

確定申告が面倒くさい

非常に単純ですが、確定申告が面倒くさいです。本当に面倒くさい。

 

申告作業自体は慣れてしまえばそんなもんですが、レシートの保管や集計作業は本当に面倒くさい。

従業員なら年末調整で、生命保険の資料とかを添付して記入するだけ。住宅ローンがあれば少しややこしいけど、そんなに難しくもない。

比較するまでも無いですが、面倒くさいです。

本当に面倒くさいです。

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ベンゾー

本当に面倒くさいです。何回でも言います。面倒くさいです。

 

ケガをしても労災にならない

「労災」というのは仕事中のケガが原因で病院にかかった場合、治療費を無料で受けられたり、仕事を長期休業したときの給料補償がなされたりする制度です。

「従業員」として働いてる人なら、漏れなく加入している保険です。ちなみに保険料は無料なので給料から天引きされたりもしていません。

 

この説明にも書いたように、労災の対象になるのは「従業員」です(例外もありますが)

デスクワークのような仕事で、「ケガをすることなんて無いよ!」って場合なら別に良いんです。でも肉体労働のような仕事の場合、どんなに気を付けてもケガをしてしまうものです。

 

このとき外注や個人事業主として働いていた場合、労災の恩恵が受けられないというのが本当に痛いところです。

僕の妻も手を怪我してしばらく仕事をできない時期がありましたが、治療費が自己負担なのはもちろん休業中の収入も0円でした。

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ベンゾー

「一切の収入が無くなる」というのは強烈ですよ

子供を産んでも育児休業給付金が出ない

「育児休業給付金」という制度があります。

雇用保険に加入している人なら、条件を満たすことで育児休業中に給付金を貰える制度です。

この金額が結構バカにならない金額なんですよね。

 

細かい計算は色々ありますが、ざっくりと言うなら「子供が1歳になるまで休んだ場合、総額で年収の半分ほど」貰える計算になります。

例えば年収300万円の人なら150万円貰えるわけです。しかもこの150万円は保険が引かれたり税金が引かれることも無いので、丸々おサイフに入っちゃうんですよね。

これが外注や個人事業主の場合は無いんです。1円も貰えません。今から子供を産む世代としてどう思いますか?

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ベンゾー

僕の妻も1円も貰えませんでした。クッソ悔しいです

子供を保育園に入れるのが無理ゲー状態

これ1番辛かったです。家の中が暗くなりました。

子供が産まれたら保育園に入れるという親が多いと思います。我が家も同じく、保育園に入れる計画でした。

しかし保育園って制度的に言うと夫婦共働きじゃなくても入れれるんですが、優先度は低くなるんですよね。

 

だからたまたま保育園激戦区(周りに子育て世代が多い地域)に住んでいると、なかなか保育園に入れてもらえないんです。

保育園に入るための優先度は高い順に言うと

  1. 働いている
  2. 働いていない(求職活動中)
  3. 働いていない(求職活動してない)

です。

出産後の母親で言うと、普通は「働いていない」って思いますよね?でも育児休業中の場合は「働いている」になるんです。

ところが外注や個人事業主の場合、「育児休業」という概念がないんです。だから「働いていない」になっちゃいます。

 

こうなってしまうと、保育園に入れるのはなかなか難しいんです。

だって普通、外注や個人事業主で働いている人って少数派なので、周りの母親達全員が自分より優先度高い状態なんですね。

つまり保育園激戦区で戦うのは無理です。完全に負け戦。無理ゲーです。

自宅から遠い保育園を探すしかありません。

 

ちなみに「じゃあ働けばいいじゃん」って思うかもしれませんが、保育園が決まっていない状態の母親を雇う会社があると思いますか?というか保育園が決まってない状態じゃ就職なんてできないですよね?

だから「働いていない」の状態で入れてくれる保育園を探すしかないんです。

だからこれから出産をするかもしれない「若い世代の女性」には、外注や個人事業主で働くくらいなら退職して別の会社に就職することをおススメします。

 

結論|「断る」か「退職する」のどちらか

メリット・デメリットを紹介しました。

メリットをひと言で表現するなら「実力があれば良い世界」

一方デメリットをひと言で表現すると「セーフティネットが無い世界」

というわけで無理やりひねり出せばメリットもあるんですが、普通に生きてきた20代前半の方がいきなり実力がすべての世界で活躍できるとは思えません。

恐らくメリットをほとんど体感できないまま消耗していくことになります。

 

だからこそ、もしも会社から冒頭のような提案が出た場合には「断る」か「退職する」のどちらかの選択をしてください。

「断る」ことで会社との関係がこじれてしまうのであれば「退職」も視野に入れるべきです。

 

「退職までするのはちょっと大げさかな・・・」と思っているなら、もうちょっと考えてみてください。

こんな提案をしてくる会社なんて、あの手この手であなたから「大事なもの」を奪っていきますよ。

 

「大事なもの」はお金かもしれませんし、時間かもしれませんし、健康かもしれません。過去にはブラック企業によって「恋人と別れた人」「うつ病になった人」もいます。「命を落とした人」もいます。

会社の利益のためにあなたから「大事なもの」を奪える経営者なんてたかがしれています。

いずれ沈む泥船みたいなもんです。一緒に沈むつもりですか?

 

ちょっとでも迷った方は「劣悪な環境の職場での退職の伝え方|1番大事なことは何?」も合わせてご覧ください。

今すぐにでも退職するべき人向けに、退職を伝える方法や1番大事なことを書いています。

 

なんで会社はこんな提案をしてくる?

最後になりますが、そもそもなんで会社はこんな提案をしてくるのでしょうか?

それは会社にとって「お得」だからです。

 

従業員を雇うには保険手続きが必要だったり、健康診断をさせなくちゃいけなかったり、有給休暇を与えなくちゃいけません。

一方、外注や個人事業主として働かせれば、単に仕事の成果に対してお金を払うだけで済みます。

 

余計なお金や手続きが不要で、成果があるときだけ相当の報酬を払えば良いなんてサイコーですよね。

じゃあなんで従業員として雇うのかというと「法律的にはそれが正しいから」です。

そもそも外注や個人事業主を従業員のように時間を区切って働かせることは違法行為。アウトなんです。

それに従業員なら「業務命令」ということで朝の掃除や、朝礼や終礼をさせたりできます。

でも外注や個人事業主には依頼した仕事以外をしてもらうことはできません。依頼した内容以外の業務命令を出すことは違法。これもアウトなんです。

 

それなのに一部の経営者は外注や個人事業主を従業員のように働かせます。要するに「良いとこ取り」をしてるわけですね。

でもこれって僕から言わせれば「いつ倒産してもおかしくないようなリスク」を抱えながら経営しているようなもんです。

だってちょっと行政の目が入れば明らかに違法ですし、処罰されても文句を言えません。

 

そんな極悪経営者のもとで働いていて良いんですか?いつリスクがあなたに降りかかってくるかもわかりませんよ?

僕なら明日には退職届を出します。

 

まとめ|「個人事業主や外注にならないか」と提案されたら

外注や個人事業主になることでのメリットは確かにあります。ただ、そのメリットは会社の利益しか考えていない極悪経営者によって「無い物」とされます。

一方でデメリットは確実にあなた自身に降りかかります。

 

僕の妻は結局のところ「周りの人がみんな個人事業主になったから」ということで受け入れてしまいました。

その結果、ケガをしても自己責任。子供を産んでも国の援助は受けられない。保育園にも入れられない。

しかもこの記事に書いたようなメリットはろくに受けられない。

そんな結果です。

 

今この記事を読んでいるあなたは、すでに冒頭の提案をされていますか?是非断ってください。できることなら退職するべきです。

ちょっとでも退職を迷ったのなら「劣悪な環境の職場での退職の伝え方|1番大事なことは何?」の記事も読んでみてください。今すぐ退職をするべき人に向けて書いた記事です。

 

まだ冒頭の提案がされていないという人は、この記事のことを頭の片隅とブックマークにでも入れておいてください。ついでにTwitterでツイートもしておいてください。

この記事を書いた人

ベンゾー

SEとして残業100時間超の中働き、20代後半で退職。その後、社会保険労務士事務所へ転職し「労務のプロ」と名乗る / 友人知人をうつ病へ追いやったブラック企業が嫌い / 労務のプロ目線でブラック企業からの脱出方法を発信中 / 退職代行利用経験1回 / 会社を労基に訴え経験2回/ 転職経験3回 / 息子のおしりを触るのが好き「プロフィールはこちら

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