劣悪な職場環境での退職の伝え方|1番大事なことは何?
お疲れ様です。労働問題の専門家をしているベンゾー(@zangyoujigoku)です。
今回は「退職の伝え方」について紹介してみます。特に「劣悪な環境」(いわゆるブラック企業)の職場での退職の伝え方です。
最初に言っておきますが、この記事は退職を考えている人や退職を決めた人向けの記事です。
ただし「ん~私もそろそろ転職しちゃおうかな☆テヘペロ!」みたいな人向けではありません。
この記事を読んで欲しい人は・・・
この記事を読んで欲しい人
- 「もうマジで限界」
- 「これ以上働いたら死んでしまう」
- 「辛い辛い辛い辛い辛い辛い」
という状態の人です。
そして、どうしても伝えたいことがあります。
この記事を書くにあたって、「退職 伝え方」でググってみました。他のサイトではどんなことを書いているのか調査するためです。
検索結果に驚きました。
まったくもって切羽詰まった状態の従業員向けではないからです。
退職することを伝える方法も、伝えるタイミングも、すべて会社や上司の顔色をうかがうような内容でした。
こんなのは「ん~私もそろそろ転職しちゃおうかな☆テヘペロ!」みたいな余裕のある退職の話です。
顔色なんてうかがっていたら、いつまで経っても退職を切り出せません。
あなたは会社や上司の顔色をうかがっている場合じゃありません。
大事なことなので繰り返します。
「一刻も早くその環境を抜け出すこと」これを最優先にしてください。
うつ病、精神疾患、その他最悪のこと。
これになったら手遅れです。というかなりそうな時点で手遅れと思ってください。
必ず元気な状態で退職日を迎えてください。
この記事では「一刻も早くその環境を抜け出すこと」を念頭に置いて、退職の伝え方を紹介していきます。
この記事で伝えたい結論
- 1番大事なことは、「一刻も早く退職すること」
- 退職理由や切り出し方は「自分の言葉」が最適
- どうしても言い出せない場合は「退職代行」も可能
- 心配なことがあればいつでも相談に乗ります
「【自分で退職と退職代行を比較】20代で2度退職した結果を検証」では自分で退職した結果と、退職代行を使った結果を比較しています。
- 新卒でブラック企業に入社した20代中盤のサラリーマン
- このまま居座るか退職するか迷ったけど、先日退職を決意
【退職方法】劣悪な職場環境で注意すること
- 退職を伝える相手
- 退職を伝えるタイミング
- 退職の理由
- 「退職させない」と言われた場合
- 退職の切り出し方
劣悪な職場環境を退職する際に注意しておきたい点をまとめました。
【退職を伝える相手】同僚以外ならOK
退職したい旨を会社に伝えると言っても、具体的には誰に伝えるべきなんでしょうか?
退職を伝える相手
- 直属の上司
- 他の部門の上司
- 部門の長
その中でも基本的には直属の上司になりますね。退職を伝える側としても、普段からコミュニケーションを取っている相手の方が話しやすいですしね。
ただ、伝えやすいという理由があるなら、部門の長や、別の上司でも大丈夫です。
よく転職マニュアル的なもので「直属の上司に言わないといけない。上司の顔をつぶすことになるから」というのがあります。
あれは「ん~私もそろそろ転職しちゃおうかな☆テヘペロ!」みたいな状態の話です。
ただし「同僚」はNGです。
法的な話になりますが、退職を伝える相手は人事権を持つ人じゃないといけません。
ですから直属の上司に退職を伝えても、さらに上の人。さらに上の上の人。というように繋がっていき、最終的に人事権を持つ人にまで話が伝わるようになっています。
もちろんタイミングや退職の理由、その他いろんな事情によっては、直属の上司に伝えにくいこともあります。
そんなときは直属の上司よりもさらに上の上司や、別部門の上司に伝えやすい状況であればそれでもOKです。
ちなみに僕が今まで退職をしてきた中で、実際に伝えた相手は・・・
- 社長
- 直属の上司
- 直属の上司の上司
- 隣の課の課長
です。
中には「退職の話は社長に直接伝えてくれ」と言われたこともありますが、そんなのは無視しました。
労働基準監督署に相談しましたが、社長に言わなくても社長に伝える責任のある人(つまり上司です)に伝えればOKと言われています。
退職を伝える相手の結論
- 伝えやすい相手なら誰でもOK
- ただし同僚はNG
- 「社長に言わなければいけない」ということは無い
【退職を伝えるタイミング】今すぐ伝えるべき
退職の旨を伝えるとき、どんなタイミングで伝えるべきなんでしょうか?
退職を伝えるタイミング
- 今すぐ伝える
- 無理なら今すぐメールか電話
- それも無理なら次に顔を見たとき
退職を伝えるタイミングでよくあるのは・・・
- 仕事終わりに上司のところへ行き伝える
- 仕事の空き時間に上司を捕まえて伝える
- 上司と話すタイミングができたときに伝える
この3パターンですね。
そして転職マニュアルみたいなものでよくあるのが「上司の時間の空いていそうなときに伝える」です。
もちろんこれは「ん~私もそろそろ転職しちゃおうかな☆テヘペロ!」みたいな状態の話です。
よくこの手のネタを書いているサイトがありますが・・・
- 上司の都合を考えて
- 会社の都合を考えて
- 飛ぶ鳥跡を濁さずと言うから
こんなのが多い印象です。要するに「相手のことを考えて」「時期を待て」と言っています。
別に上司が忙しそうな雰囲気を作っていてもOKです。業務中だろうが業務時間外だろうが関係ありません。
今すぐ上司のところへ行って伝えてください。すでに帰宅しているなら、次に上司の顔を見たときに伝えてください。
口頭で伝えるのが難しいならメールでもLINEでも電話でもOKです。
とにかく1番大事なことは「今すぐ伝えること」。それが無理なら「次に上司の顔を見たときに伝える」。
退職を伝えるタイミングの結論
- 相手のことや時期は考える必要なし
- 時期を延ばすのは絶対にダメ
- とにかく早く伝える
- メール、LINE、電話でもOK
【退職の理由】ありのままでOK
退職をする理由。どんな理由にするべきでしょうか?
退職の理由
- 嘘はダメ
- どうしても言いにくい理由は「言わない」
退職を伝える際、ほぼ必ず理由を聞かれます。そのときどんな話をするべきでしょうか?
よくある退職の理由としては・・・
- 家族の体調が良くない
- 業務に自信が無くなってきた
- 環境が変わって通勤距離が厳しい
- 人間関係が耐えられない
- 他の会社からスカウトが来たので
- 残業がやばいので
- 会社の将来性が不安なので
といったものがあります。大きく分けると「家庭の事情」か「自分の都合」になりますね。
あんまり会社側を悪く言うような理由を話すと、退職までの日に嫌がらせがあっても困りますよね。ですがここで嘘をつくのだけは絶対にダメです。
例えば会社の将来性が不安、給料が安いなどの理由で退職をしたいとします。
それなのに「最近体調がすぐれなくて・・・」と嘘を言うのはNGです。
どうしてもオブラートに包みたいのであれば、相手からのどんな返答にも正確に返しつつ、退職を決めてください。
その自信が無いのなら嘘を付かずに、オブラートにも包まずに理由を話す方が良いです。
だいたい劣悪な環境の会社なら退職者なんて珍しくありません。
相手も一応理由を聞くけれど、別に聞いたからと言ってなんかしようとするわけじゃありません。
退職理由の結論
- 下手に嘘をつくと会社からの返答に対応できない
- 退職の意思を貫くことが大事
- 会社側は退職に慣れているから大丈夫
【退職させないと言われた場合】退職届を提出
なかなか無いですが、極稀に「退職をさせない」という会社があります。
退職をさせない会社の対処方法
- 退職届を出せばOK
- 受け取らない場合は郵送
- レターパックプラスなら確実
雇用契約がどうとか、礼儀がどうとか濁して「退職をさせない」という会社があります。
万が一「退職はさせない」と言われた場合には「退職届」を渡してください。
法的な話になりますが、「退職届」には受け取らないという選択肢がありません。必ず受理しなければならないので、引き留めもクソもありません。
さらに退職届をその場で破かれるような相手の場合は、郵送で退職届を社長宛に送ってください。
ただ、普通の郵送で提出すると・・・
としらばっくれる可能性があります。
ですから「レターパックプラス」で送りましょう。これなら客観的に郵送したことを証明してくれます。
その際、宛先は社長にしておきましょう。
※内容証明郵便は文字数制限があるのでオススメしません。
レターパックプラスとは・・・
送るときはポストに投函でOKなので、わざわざ郵便局へ行かなくても大丈夫!
郵便局へ行かなくても、コチラで購入してポストに投函でOKです!
退職をさせてくれない場合の結論
- 法的には退職届を出せば退職できる
- 受け取らない場合は郵送
- レターパックプラスなら郵便局が確実に渡してくれる
退職届を出すときは「退職届(兼有給休暇届)の書き方|テンプレートをダウンロードしてサクッと済まそう」をご覧ください。
無料で退職届のひな形をダウンロードできるようにしてあります。退職届の渡し方も書いているので、参考にしてみてください。
この記事で伝えたいこと
- 退職届のひな形をダウンロード
- 有給休暇付き退職届のひな形をダウンロード
- 退職届の渡し方、渡す相手
- 有給休暇付き退職届を使う際の注意事項
【退職の切り出し方】理由をダラダラ話すのはNG
では1番緊張する「退職の切り出し方」について紹介します。
退職の切り出し方
- スパッと理由を伝えて「退職します」
- 「退職します」からの理由を完結に
退職の切り出し方でNGなのは理由をダラダラと話してから「退職します」と言うことです。
もっと言うと、理由を遠回しにしたり、オブラートに包みまくってからの「退職したいんです」はNGです。
例えば・・・
「すみません。この会社では色々な経験を積ませていただき大変勉強になっております。また先輩方にも大変優しくしていただきありがたい限りです。しかし残念ながら実家の母が最近体調を崩してしまい、どうしても私が実家に戻らなければならなくなりました。大変申し訳ないのですが、退職をさせたいただけないでしょうか?」
という感じがNGですね。ダラダラと長すぎます。
上のような話をしたら、1秒で「こいつ退職する気だな」って気づいて「今忙しいから後でな」って避けられるだけです。
もっと言ったら、退職を切り出そうとして緊張している顔だけで「こいつ退職する気だな」って気づかれてもおかしくありません。
「退職したい」という言葉を伝えることが1番大事です。
退職の切り出し方の結論
- 「退職」を簡潔に伝える
- ダラダラと理由を話していると、逃げられる
【対処方法】劣悪な職場からの引き留めを受けたとき
- 退職理由や切り出し方は、自分の言葉で伝える
- 僕が退職時に受けた引き留めと、その切り返し
劣悪な職場というのは、引き留めが強いのが定番です。
そこを上手く切り抜けなければ、永遠に退職することはできません。
ここでは引き留めを上手く切り抜けるための対処方法を解説します。
【マネはNG】退職理由や切り出し方は、自分の言葉で伝える
退職の理由や、切り出し方をググってみるといろんな例文が出てきます。
これらは参考にしても良いですが、マネをするのはオススメしません。「こういう言い回しがあるんだな~」という程度にしておいてください。
自分の言葉で伝えることで、会社からの返事や引き留めに対して、戸惑うことなく返答しやすくなります。
退職の理由や切り出し方を考える目的は「無事に退職すること」。
だったら会社からの引き留めに対して、適格に返事をできることが良いですよね。
自分で考えた理由じゃないと細かいところを突っ込まれたときに、戸惑いが出てしまいます。
退職理由や切り出し方のポイント
- マネはNG
- 自分の言葉なら返答に戸惑わない
- 返答に戸惑う=引き留めの隙を与える
【実例】僕が退職時に受けた引き留めと、その切り返し
実際に僕がSEの長時間労働に耐えられなくて退職した際に、引き留めとして言われた内容が・・・
- あと10年もすれば長時間労働は改善される予定だ
- もう一度入社しようと思ってもできないぞ
というものでした。
これに対して僕が返した理由が・・・
- 子供が産まれたときに、幼いころ父親と遊べなかったと思われたくない
⇒10年も子供と遊べないんじゃ意味が無い - 次は別の職種で働く予定
⇒別の職種になるから、もう一度入社する可能性はない
というものでした。
僕がこの2つの理由を伝えたことによって、上司は引き留めを諦めてくれました。
単純に「長時間労働が辛くて」というだけで「なんで長時間労働が辛いのか」という細かい理由がないと、上司の引き留めで一瞬ひるんでしまいませんか?
引き留めでひるんだ隙をつかれてしまうので、退職の理由や切り出し方は自分の言葉で伝えるようにしましょう。
退職の理由や切り出し方の結論
- 自分の言葉で伝えれば引き留めに対処できる
- 隙を見せないように返答できるようにする
引き止め以外に、退職の相談をスルーされたり、退職を認めないと言われた場合には「【実体験】引き止め?退職を認めない?確実に会社を辞める方法」もご覧ください。
「どうしても退職を言い出せない・・・」という方へ
- 「今日は言い出せなかった。明日伝えよう」はNG
- 最終手段は「退職代行」
退職の方法や引き留めを受けたときの対処方法を書いてきましたが、まずは退職を言い出さなければ始まりません。
「でも退職を言い出すことが1番エネルギーを使うんだよ・・・」という気持ちもわかります。
そこで「どうしても退職を言い出せない」という方へ伝えたいことを書きました。
「今日は言い出せなかった。明日伝えよう」は無駄な時間
色々書きましたが、それでもやっぱり退職を言い出せない・・・という方もいますよね。
仕事でも部活でも習い事でもそうですが、辞めることを言い出すのってめちゃくちゃエネルギー使います。
- 絶対に今日は伝える!
- この会議が終わったら伝える!
とか思っていても、なんだかんだ理由を付けて「今日は言い出せなかった。明日伝えよう」ってなりませんか?
あえてキツイ言い方をしますが、「退職を伝えること」は特別なことじゃありません。
それを今日言えなかった人が、なぜ明日なら言えるのでしょうか?
退職を言い出さないことの言い訳を自分で作っていませんか?
そういう気持ちの弱さはブラック企業にバレています。だから付け込まれるんです。
この記事の冒頭でも書きましたが、最優先するべきは「一刻も早く劣悪な環境を抜け出すこと」です。
- 今日はうつ病になってなくても、明日はうつ病になるかもしれません。
- 今日は精神疾患にならなくても、明日は精神疾患を抱えているかもしれません。
- 今日は死ななくても、明日は死んでるかもしれまん。
最優先するべきは「一刻も早く劣悪な環境を抜け出すこと」です。
最終手段は退職代行
「どうしても退職を言い出すことができない。。。」
そういった方向けに最近は「退職代行」というサービスがあります。
「退職代行」をざっくり言うと、あなたの代わりに言いにくいことを会社に伝えてくれる上に、その後会社に顔を出さなくて良いようにしてくれるサービスです。
つまり・・・
- 〇月〇日に退職する
- 有給休暇を全部使う
- もう連絡をしてこないでくれ
といった要求を伝えてくれるんですね。
とは言っても・・・
- 「退職代行なんてサービスを使って本当に良いのか」
- 「詐欺なんじゃないか」
- 「めちゃくちゃ高いんじゃないか」
- 「本当に退職できるのか」
- 「ヤバい業者もいるんじゃないか」
という疑問や懸念がありますよね。
だから、労働問題の専門家をしている僕が、約30社の退職代行を徹底的に調べました。
実は僕自身もなかなか劣悪な職場環境にいたんですが、退職代行を使うことで・・・
- 一切上司や社長の顔を見ず、一方的にに退職
- 有給休暇をすべて使って退職
- 半年後まで引き延ばされた退職予定日を、半月後にしてもらえた
という結果を得られました。
しかも予定より早く転職先へ入ることができ、高い給料やボーナスを早めに受け取れるという嬉しい誤算もあったり。
退職代行に関することはすべて「退職代行SARABAが絶対に最強な理由を労働問題専門家が徹底解説」で解説しています。
僕がオススメする退職代行を使えば、労働者の権利をフル活用して退職することができます。
労働者の権利
- 引き延ばしされずに退職
- 有給休暇を全部消化
- 未払い残業代をすべて回収
- 退職金の回収
- などなど
心配なことがあればいつでも相談に乗ります
ちょっとキツイことも言いましたが、劣悪な職場環境で一番大事なことは「一刻も早くその環境を抜け出すこと」です。
僕自身の身の回りでは、限界を突破して頑張った結果、壊れてしまった人がたくさんいます。
壊れてしまう人が増えていくのは本当に嫌です。増やさないためなら何でもします。
思うに、壊れやすい方は身の回りに相談できる人が少ないんです。
だから僕が相談相手になることにしました。もちろんボランティアです。
今は、TwitterやLINEで簡単に連絡を取り合える環境です。
詳しい相談の仕方は「仕事の悩み。無料相談を始めました!【LINE@・TwitterのDM】」に記載しておきます。
まとめ|1番大事なのは「一刻も早く退職すること」
この記事で伝えたい結論
- 1番大事なことは、「一刻も早く退職すること」
- 退職理由や切り出し方は「自分の言葉」が最適
- どうしても言い出せない場合は「退職代行」も可能
- 心配なことがあればいつでも相談に乗ります
よくある転職マニュアルで「飛ぶ鳥跡を濁さずを大切に」というのは、「ん~私もそろそろ転職しちゃおうかな☆テヘペロ!」みたいな人向けの話です。
あなた向けではありません。
あなたが最優先するべきことは「一刻も早く退職すること」です。
「【自分で退職と退職代行を比較】20代で2度退職した結果を検証」では自分で退職した結果と、退職代行を使った結果を比較しています。
- 新卒でブラック企業に入社した20代中盤のサラリーマン
- このまま居座るか退職するか迷ったけど、先日退職を決意