退職後の保険手続き・トラブル対処法を徹底解説|気持ちよく次へ進む方法
お疲れ様です。社会保険労務事務所で働いているベンゾー(@zangyoujigoku)です。
この記事では「これから退職を検討している方」に向けて「退職をした後の手続きやトラブルの対処法」を紹介します。
失業保険、健康保険、住民税。退職をした後の話って経験が無いとよくわからない場合が多いですよね。
その上、退職する会社がブラック企業だった場合、「離職票や源泉徴収票が送られてこない!」なんてトラブルもあります。
さらには未払い残業代を請求したい!なんて方もおりますよね。
この記事ではそんな小難しい話を、労働問題の専門家である僕が徹底解説していきます。
退職をした後は、転職活動をしたり、新しい職場への勤務を始めたり、しばらくの間休んだりすると思います。
この記事を読んで退職をする上での不安を解消し、次のステップへ気持ちよく進んでみてください!
何も考えずにブラック企業で働くだけでは、数年後に必ず後悔します。
- 働き続けるリスク
- すぐに辞めるリスク
- 辞める時期がわからない
- ブラック具合が改善しない
- 即辞めるべきレベルがある
- 辞めた後の定番トラブルの存在
「【新卒も可】ブラック企業入社後にやる!後悔しない4つの対策」ではブラック企業に入社してからでも間に合う対策方法を紹介します。
元ブラック企業社員で会社と2度戦った経験を持つ僕が、労働問題専門家としての知識も交えて解説しています。
退職後の手続き
退職後に行う手続きは、すぐに転職するかで必要か不要か変わってきます。
ここでは・・・
- 失業保険(基本手当)
- 健康保険・国民年金
- 個人住民税(市県民税)
の3つについて解説していきます。
失業保険(基本手当)|転職先を決める前に辞めたら必見
失業保険というのは、失業後の求職活動中に国からお金を貰える制度です。
正式名称は「基本手当」と言って、「失業保険」「失業給付」「失業手当」など様々な通称で呼ばれています。
この記事では一般的な通称である「失業保険」で話を進めていきます。
ざっくりと失業保険を説明すると・・・
- ある程度の期間働いていた
- すぐに転職せずに求職活動をした
という場合にお金を貰える可能性のある制度です。
貰える金額は年齢や退職理由によって変わってきますが、目安としては給料の50~80%を3か月~1年分貰うことができます。
これだけでも決して安い金額ではないことがわかりますね。貰える可能性があるのなら、是非貰っておきたいところ。
貰える金額の計算方法や、申請における注意事項なんかは「失業保険|転職先を決める前に退職しちゃった人が読むべきお金の話」でまとめています。
普通の働き方で1年以上勤務していた方は、是非ご覧ください。
健康保険・国民年金|退職後の状況別手続き
一般的な会社員は「健康保険」と「厚生年金」に加入しています。通称で言うと「社会保険」と呼ばれています。
社会保険は退職した社員からの質問が1番多い制度です。それだけ生活に密接に関わっている制度なんですね。
改めて説明の必要は無いと思いますが、「健康保険」は保険証を使える権利みたいなものです。
そして「厚生年金」は国民年金の高待遇版みたいなもの。
この2つは退職後の状況によって、行う手続きが変わってきます。
退職後の状況を大きく3つに分けると・・・
- 退職の翌日には就職予定
- 退職から就職までに空白期間ができる
- 誰かの扶養に入る
となります。
この内、何かしらの手続きが必要なのは「2.退職から就職までに空白期間ができる」と「3.誰かの扶養に入る」の2つです。
特に「2.退職から就職までに空白期間ができる」の場合は自分自身で手続きを行う必要もあります。
それぞれの場合で、どんな手続きをどこでするのかは「退職後の状況別|健康保険や国民年金のやることのまとめ」で詳しく解説しています。
退職をしてから転職活動をする予定の人は是非ご覧ください。
個人住民税(市県民税)|手続き不要で損得は無い
住民税っていうのは別名「市民税」とか「市県民税」と呼ばれています。もちろんいずれも同じ税金です。
一般的な会社員は毎月の給料からいくらか住民税を徴収されています。では退職をするとどうなるのでしょうか?
給料が無いわけなので、もちろん天引きはできませんね。
結論を言うと退職後の住民税は「自分で納めに行く」か「最後の給料で一括払いをする」の2択になります。
これらの手続きは退職者本人ではなく、会社がすることになっているので、自分で手続きをする必要はありません。
そしていずれのパターンで納めたとしても、損することも得することもありません。
したがって、住民税に関しては先に解説した「失業保険」や「健康保険・国民年金」と違って、ただただ流れに身を任せるだけでOKです。
そういうわけで特に気にすることの無い住民税ですが、もう少し詳しく知りたいという方は「退職後に住民税の通知が届いた|手続き不要で損も得もしません」もご覧ください。
住民税の仕組みを交えた解説をしています。
退職後のトラブル対処法
ここから下は普通の会社を退職した方は特に見ていただく必要はありません。
ブラック企業や管理が雑な会社を退職した場合はご覧ください。
普通はあんまり無いんですが・・・
- 離職票が届かない
- 源泉徴収票が届かない
- 未払い残業代がある
といったトラブルの対処法について解説をしていきます。
離職票が届かない|最短で対処できる方法
離職票というのは、退職後1週間程度で交付される書類です。
主に上でも説明した「失業保険」の受給に使いますが、その他「国民健康保険や国民年金」の加入手続きをする上で使う場合もあります。
とにかく退職者にとって重要な書類です。
普通の会社なら何も言わなくても送ってくる書類なんですが、ブラック企業だったり管理の雑な会社だと送ってこないケースがあります。
送ってこない場合の対処法として、1つは「会社に連絡をする」です。
確かに連絡ができるなら苦労は無いよね。
ここでは、「会社に連絡ができない」という前提で話を進めていきます。
離職票を貰うための方法は2パターンあります。
1つは「離職票再交付申請書」と言って、離職票を再発行してもらう手続きです。これは会社が離職票を作る手続きをしたにも関わらず発送してこない場合の対処法です。
もう1つは「ハローワークから会社に指導してもらう」方法です。これは会社が離職票を作る手続きすらしていない場合の対処法です。
具体的な手続き方法や、離職票なしでも「失業保険」を受ける手続きの方法など詳細は「辞めた会社が離職票を送ってこない!最短で対処できる3つの方法」で解説しています。
退職する予定の会社がちょっと怪しい場合は、事前にご覧になることオススメします。
源泉徴収票が届かない|最短で対処できる方法
離職票と似ていますが、源泉徴収票も退職後に会社から交付される書類です。
源泉徴収票の交付は最終の給料額が確定してからになるので、退職日によってはすぐに交付できない場合もあります。
それでも1ヶ月、2ヶ月と交付されない場合は、明らかにおかしいです。
使用用途は年末調整や確定申告なので、やはり重要な書類。
普通の会社なら何も言わなくても交付してくれますが、ブラック企業だったり管理の雑な会社だと送ってこないケースがあります。
源泉徴収票の場合は離職票と違って、対処法がとてもシンプルです。
「源泉徴収票不交付の届出書」という書類を税務署に送るだけです。
「源泉徴収票不交付の届出書」自体も国税庁のHPから簡単にダウンロードできますし、記載する項目もほとんどありません。
あとは税務署から会社に連絡が行き、発行するように指導をしてもらえるので、待っているだけでOKです。
だから安心!ってわけじゃないですが、そこまで心配することは無いです。何より源泉徴収票が正しく発行されなくて困るのは税務署です。
未払い残業の請求|2度の回収成功体験談
「自分の勤務先ではちゃんと残業代が支払われていた」
はっきりと言える方はどのくらいいるでしょうか?
残業代の計算でよくある間違っているケースは・・・
- 固定残業代だから働かせ放題になっている
- 土曜も出勤の会社だから残業代無しで週6日働いている
- 手当はあるけど基本給が安いから残業代も安い?
- 1日7時間勤務の仕事だから、1時間はサービス残業してる
- 日給制だから残業代が付かない
の5点です。上記はいずれも間違っています。
もし、上記のような理由で残業代が支払われていない場合、未払い残業代として請求できる可能性が高いです。
詳細は「正当な残業代を貰ってる?未払いとして請求できる事例を解説」で解説しています。
是非、自分の給料明細を見ながらチェックしてみましょう。
それから未払い残業代の請求ですが、僕は労働基準監督署を使って2回請求をしたことがあります。いずれも成功しています。
労働基準監督署を使った残業代の請求のメリットは・・・
- 費用が掛からない
- タイムカードなどの証拠が無くても取り合ってもらえる
の2点です。
一方デメリットは・・・
- 強制力が無いので成功させるには根気が必要
- 平日の日中に労働基準監督署へ行かなくてはいけない
の2点。要するにめっちゃくちゃ面倒なんです!
残業代を回収する方法は労働基準監督署だけでなく、特殊な退職代行や、弁護士さんに対応してもらうこともできます。
それぞれの比較を「会社を訴えるリスクは無い。退職時にお金を回収する方法」でしているので、未払い残業代がありそうな方は必ずチェックしてみてください。
まとめ|退職後の保険手続き・トラブル対処法を徹底解説
退職後の手続きとして
- 失業保険(基本手当)
- 健康保険・厚生年金
- 個人住民税(市県民税)
の3点。
退職後のトラブルとして
- 離職票が届かない場合
- 源泉徴収票が届かない場合
- 未払い残業代の請求をしたい場合
の3点を解説していきました。
退職後の不安について少しでも解消されてくれれば幸いです
「【自分で退職と退職代行を比較】20代で2度退職した結果を検証」では自分で退職した結果と、退職代行を使った結果を比較しています。
- 新卒でブラック企業に入社した20代中盤のサラリーマン
- このまま居座るか退職するか迷ったけど、先日退職を決意