【ブラック企業の退職方法】穏便?強引?それとも戦って辞める?
お疲れ様です。元ブラック企業社員で労働問題専門家のベンゾー(@zangyoujigoku)です。
この記事では「ブラック企業を辞めるときに取るべき選択肢」について紹介します。
この記事を読んで貰いたいのは以下の方
- 新卒でブラック企業に入社
- 退職する決意はできている
- しかし辞めるだけで良いのか迷っている
この記事でわかるのは以下のこと
- 退職にも色んな手段がある
- それぞれの方法、流れ、メリットデメリット
- 自分に合った退職方法はどれか
まず最初に、ブラック企業を退職する際に「単なる退職」だけでなく、別の方法があることに気が付いたことが素晴らしいです。
まともな会社であれば、退職時は円満な雰囲気で花束でも貰ってお別れとなります。
しかしブラック企業であれば・・・
- 有給休暇は使えない
- 残業代は支払われない
- 退職金を貰えない
- 退職日は引き延ばされる
- 退職させてもらえない
なんてことが珍しくありません
かと言って有給休暇や残業代をしっかり回収しようと思えば、多少なりとも面倒なことは避けられません。
どのくらいの労力(リスク)でどのくらいの利益(リターン)を得られるのか?気になる方もいるはずです。
そこでこの記事では・・・
- 普通に退職した経験
- 会社と戦って退職した経験
- 本業は労働問題専門家
という僕が、退職の際に使える手段を紹介します。
色んな退職の手段があるので、それぞれのメリットや流れを確認していきましょう。
この記事を読んでいただければ、本当に納得できる退職方法を選ぶことができます。
何も考えずにブラック企業で働くだけでは、数年後に必ず後悔します。
- 働き続けるリスク
- すぐに辞めるリスク
- 辞める時期がわからない
- ブラック具合が改善しない
- 即辞めるべきレベルがある
- 辞めた後の定番トラブルの存在
「【新卒も可】ブラック企業入社後にやる!後悔しない4つの対策」ではブラック企業に入社してからでも間に合う対策方法を紹介します。
元ブラック企業社員で会社と2度戦った経験を持つ僕が、労働問題専門家としての知識も交えて解説しています。
ブラック企業を退職するための3つの方法
オススメな人 | 方法 | 主なメリット | 主なデメリット | |
---|---|---|---|---|
①穏便に退職 | 揉めたくない人 | 自分と会社だけで完結 | 揉めない | 権利を主張しにくい |
②強引に退職 | 権利を主張したい人 | 退職代行 | 楽なのに権利を得られる | 会社に迷惑がかかる |
③戦って退職 | 経営陣が嫌いな人 | 労働基準監督署 | 会社に大ダメージ | 面倒くさい |
※左端の見出しをクリックで、詳細解説部分にジャンプできます。
先に3つの退職方法を紹介すると、上記の表の通りです。
①ブラック企業を穏便に退職する方法
【オススメな人】揉めたくないけど、無理もしたくない人
- この方法がオススメな人揉め事が嫌いな人
- でもなるべく無理なく退職したい
ここで紹介する方法で退職をすれば、揉める可能性は一番低いです。
ただし、退職までの負担は大きくなります。
【方法】自分と会社だけで完結させる
退職方法はいたってシンプル。
自分と会社だけで退職の準備を進めていき、第三者を一切入れずに終わらせるだけです。
退職に関して会社の要望を受け入れることが多くなります。
強引に権利を主張する手段も残されていますが、揉めるのが嫌であれば主張しないだけです。
POINT
- 第三者を挟まない退職方法
- 会社からの要望を受け入れる
- 強引に権利を主張する手段も残っている
- 権利を主張しなければ揉めない
【流れ】
- STEP1退職したい日を決める転職先への入社日などから退職日を決める
- STEP2退職を切り出す遅くても退職日の1ヶ月前には会社に切り出す
- STEP3会社を説得する会社から引き止めがあれば説得をする
- STEP4退職届を提出退職届を提出
- STEP5退職無事退職
退職までの流れは上記の通りです。
会社のブラック度合いによっては引き止めが長引くこともありますが、流れ自体は上記の通りに進むことが多いです。
自分が想定している退職日の通りに辞められることは少ないので、余裕をもった退職計画を立てましょう!
【メリット・デメリット】争わないけど、権利を諦めることもある
- 形式的には円満退職
- 争う必要が無い
- 有給休暇や未払い残業代を諦めることになるかも
- 退職までに時間がかかる
- 退職日までの有給休暇
- 未払いの残業代
- 退職金
- 予定通りの日に退職すること
- 退職すること自体
上記のような権利を会社にゆだねることで、争うことがほぼ無くなります。
「全部の権利を諦めてしまうのはちょっと・・・」という方であれば、「【初退職がブラック企業】不利にならないように会社を辞める方法」の記事をご覧ください。
基本的にはここで紹介した退職方法ですが、対ブラック企業用に無理のない程度で自分の権利を主張する方法を解説しています。
POINT
- 一番一般的な退職方法
- 基本的に会社の要望を受け入れることが多い
- 強引にいけば権利の主張も可能
- ただし自分で交渉すると負担が大きい
②ブラック企業を強引に退職する方法
【オススメな人】自分の利益を優先するためなら、争える人
- この方法がオススメな人自分の権利を優先したい
- でもやり方がわからない
- 多少争っても構わない人
- でも面倒なことは避けたい
ここで紹介する方法は費用がかかります。
その代わり一番負担が少ない方法で、しかも権利の主張もバッチリできます。
【方法】退職代行を使う
会社と自分の間に「退職代行」という業者を挟む方法です。
「退職代行」というと「退職したい旨を代わりに伝えてくれる業者」という認識の方も多いですが、今のサービスはこれだけじゃありません。
- 自分の権利を正当に主張したい!でもやり方がわからない・・・
- 権利のためには多少の争いも構わない!でも面倒なことは避けたい・・・
という方にはピッタリな方法です。
【流れ】
実際に僕が使った退職代行での流れを紹介します。
ちなみに僕は「退職代行SARABA」というところを使いました。
「退職代行SARABA」が一番オススメな理由は「退職代行SARABAが絶対に最強な理由を労働問題専門家が徹底解説」で解説しています。
- STEP1公式サイトからLINEで友達登録
公式サイトからLINEの友達登録をします。
登録をすると、すぐに退職代行SARABAから連絡が来ます。
- STEP2簡単な質問や流れを確認
サービス内容や退職までの流れを質問できます。
僕のときは有給休暇のことや、引き継ぎのことを質問しました。
【ここまで無料】
- STEP3納得できたら支払いをして依頼
【ここから有料】
サービス内容に納得ができたら、支払いをします。
支払いが完了したら依頼スタートになります。
支払いは、クレジットや銀行振込で済ませばOKです。
- STEP4職場に退職届と要望書を郵送
退職届と要望書(「離職票・源泉徴収票を送って欲しい」などを書いた書類です)を職場に郵送します。
郵送は代わりにやってくれないので、自分でやります。
退職届はコチラを使っていただいて大丈夫です↓
1 file(s) 25.76 KB有給休暇も使いたい場合はコチラがオススメです↓
1 file(s) 29.78 KB書き方を一応確認しておきたい方は「退職届(兼有給休暇届)の書き方|テンプレートをダウンロードしてサクッと済まそう」をご覧ください。Word版の退職届や書き方を紹介しています。
- STEP5あとは退職日まで待つだけ
あらかじめ指定した日になったら、退職代行SARABAが職場に電話をしてくれます。
このタイミングで、今までの不安が一気に解放感に変わります。
その後は、退職日までゆっくりしていればOKです。
このとき、有給休暇の使用や未払い残業代の回収といった要望にも対応してくれます。
【メリット・デメリット】コスパ最高だけど、会社に迷惑がかかる
- 低コストなのにハイリターン
- 知識が無くても平気
- 最短で退職できる
- 会社に迷惑がかかる
- 費用がかかる(約30,000円)
退職代行は、通常なら無料であるはずの「退職」という行為に費用がかかります。(約30,000円)
その代わり・・・
- 有給休暇の使用や未払い残業代の回収をしたいけど、やり方がわからない
- 会社と揉めても構わないけど、面倒なことは避けたい
という要望を叶えてくれます。
ちなみに費用がかかることをデメリットにしましたが、有給休暇や未払い残業代を考えると大抵のケースでは会社から回収できるお金の方が多くなります。
「ブラック企業で働いているから、会社や同僚への迷惑なんて気にしない!」という方なら、十分検討する価値があります。
③ブラック企業と戦って退職する方法
【オススメな人】同僚は好き。でも経営陣は嫌いという人
- この方法がオススメな人正義感が強い人
- 同僚は好きだけど経営陣が憎い人
ここで紹介するのは会社と戦う方法です。
やり方によっては退職する本人以外に、残された従業員にもメリットのある方法になります。
ただし、一番面倒なやり方です。
【方法】労働基準監督署を使う
会社を辞める際に、労働基準監督署に訴えるという方法です。
例えば有給休暇を取らせてくれないということだったり、残業代が払われていないとった内容で訴えます。
訴える内容にもよりますが、この方法では会社に大ダメージを与えることができます。
例えば、未払い残業代を労働基準監督署経由で訴えた場合、訴えた本人以外の従業員も未払い残業代が手に入ります。
従業員数によっては恐ろしい金額になります。
POINT
- 退職時に会社を訴える
- 労働基準監督署を使う
- 会社に大ダメージを与えられる
【流れ】
ケースによって流れが異なりますが、僕のときは以下のような流れで会社を訴えました。
ちなみにこれは「未払い残業代を請求を弁護士無しで」したときの流れです。
- STEP1証拠の準備証拠が無いと思っても、対応できることもあります
- STEP2労働基準監督署に電話まずは状況の説明
- STEP3労働基準監督署に訪問相談で終わらせないこと
- STEP4自分で会社に請求書面を郵送でOK
- STEP5改善が無ければ・・・労働基準監督署から言ってもらう
労働基準監督署は平日の日中しかやっていないため、電話の相談はともかく訪問するのは難しいですよね。
しかし、本人確認のために必ず1回は訪問する必要があります。
また、やり取りも基本的に1回では終わりません。
僕が労働基準監督署を使って未払い残業代を請求した方法は「未払い残業代の請求方法|労働基準監督署を使って回収するやり方」で解説をしています。
解説と同じやり方をしてもらえば、会社に残業代の請求を出すことができます。
【メリット・デメリット】会社に大ダメージを与えられるけど面倒
- 強制力が得られる
- 他の従業員も助けられる
- 会社に大ダメージ
- 面倒くさい
とにかく面倒くさい方法です。
しかしブラック企業に与えるダメージは一番大きいです。
もしブラック企業が倒産することになれば、会社に残った人やこれから入社する人の将来を救うことになります。
この記事では労働基準監督署を使った方法をメインに取り上げましたが、
- ブラック企業と戦いたい!
- でもやり方がよくわからない・・・
という方は「会社を訴えるリスクは無い。退職時にお金を回収する方法」もご覧ください。
労働基準監督署を使う方法以外にも、会社と戦う方法を紹介しています。
それぞれの退職方法を比較
オススメな人 | 方法 | 主なメリット | 主なデメリット | |
---|---|---|---|---|
①穏便に退職 | 揉めたくない人 | 自分と会社だけで完結 | 揉めない | 権利を主張しにくい |
②強引に退職 | 権利を主張したい人 | 退職代行 | 楽なのに権利を得られる | 会社に迷惑がかかる |
③戦って退職 | 経営陣が嫌いな人 | 労働基準監督署 | 会社に大ダメージ | 面倒くさい |
※左端の見出しをクリックで、詳細解説部分にジャンプできます。
普通の会社を退職する分には①穏便に退職を選んでいただければ良いです。
まともな会社なら有給休暇が使えなかったり、残業代が出なかったりということも無いでしょう。
しかしブラック企業を退職するなら②強引に退職や③戦って退職といった方法を選んで欲しいです。
大ごとにしたくない方は「①穏便に退職」か「②強引に退職」を
大ごとにするのが嫌だって人は、ここを読んでください
- ブラック企業にいる
- 戦えば勝てそうな気もする
- でも裁判とか弁護士とかは抵抗がある
という場合は①穏便に退職か②強引に退職で退職することをオススメします。
①穏便に退職は当然として②強引に退職の方法も裁判になるような争いはしません。
だから大ごとにするのは抵抗があるって方にもオススメです。
ただし①穏便に退職で会社の要望を聞きすぎるのは要注意です。
- いつまで経っても退職できない
- 有給休暇を諦める
- 未払い残業も諦める
- 退職できないから転職も諦める
こんなことになってしまったら本末転倒。大人しく働いてる方がマシなレベルです。
①穏便に退職と②強引に退職のどちらにしようか迷っている方には「【自分で退職と退職代行を比較】20代で2度退職した結果を検証」を読むこともオススメします。
2つの退職方法の・・・
- 退職までにかかった時間
- 費用
- 退職までの手順
- 得られた成果
の4点を、僕が実際に退職したときをベースに比較しています。
ブラック企業にいる方は「②強引に退職」か「③戦って退職」を
ブラック企業にいる人は、ここを読んでください
本来、労働者とは非常に恵まれた存在なんです。
- 何もわからない新人でも仕事とお金を与えてもらえる
- わからなくても聞くことができる
- 負債は会社が負担してくれるので、失敗を恐れずに挑戦できる。
- 自由に休める権利や退職金も貰える。
最強の状態です。
一方ブラック企業の労働者は・・・
- 不当に低い給料しか貰えない
- わからないことも教えてもらえない
- 失敗したら給料から天引き
- 自由に休めるはずの権利も使えない
- 残業代も出ない
- 退職金もない
比較するとブラック企業が最低だってわかりますね。
同じように会社勤めをしている人なのに、こんなにも差があって良いのでしょうか?
先に紹介した比較表の、②強引に退職や③戦って退職の方法を取っていただければ、この差を埋めることができます。
例えば有給休暇は2年後には消えるし、未払い残業代も3年後には時効で消えます。
迷っている時間が長いほど、得られる権利は少なくなっていきます。
ぜひ会社から労働者の正当な権利を回収してください!
もし迷ったり疑問に思うことがあれば、僕に相談をしてください。
先述したように時間が経つほど得られる権利が少なくなるため、迷っている時間は本当にもったいないです。
労働問題の専門家として、実際にここで紹介した退職方法を経験した人として、相談者さんの置かれている状況から結論を出すお手伝いをします。
僕への相談はTwitterのDMやLINE@で無料で行っています。
相談したい方は「仕事の悩み。無料相談を始めました!【LINE@・TwitterのDM】」をご覧ください。
まとめ|【ブラック企業の退職方法】穏便?強引?それとも戦って辞める?
オススメな人 | 方法 | 主なメリット | 主なデメリット | |
---|---|---|---|---|
①穏便に退職 | 揉めたくない人 | 自分と会社だけで完結 | 揉めない | 権利を主張しにくい |
②強引に退職 | 権利を主張したい人 | 退職代行 | 楽なのに権利を得られる | 会社に迷惑がかかる |
③戦って退職 | 経営陣が嫌いな人 | 労働基準監督署 | 会社に大ダメージ | 面倒くさい |
※左端の見出しをクリックで、詳細解説部分にジャンプできます。
この記事で伝えたい結論
- 退職方法は穏便、強引、戦っての3種類
- 揉めないのは「穏便」
- 楽なのに権利を得られるのは「強引」
- 会社に大ダメージなのは「戦って」
3種類の退職方法を紹介しました。
「ブラック企業を退職したい!」と決意した人は、3つのいずれかの退職方法を取ることになるので、自分ならどれを選ぶか検討してください。
それぞれの詳しい退職方法は以下の記事で解説しています。
参考
一般的に多いのは「①穏便に退職」ですが、最近は「②強引に退職」の方法を取る方も増えてきています。
また「③戦って退職」の方法で戦っている方で、Twitter上で戦いっぷりを公開している「翠の燕」という方がおります。
翠の燕さんの戦いっぷりは「【ブラック企業体験談】「家族・時間・身体を犠牲にしろ」と言った会社を潰すためにひとりで戦った記録」でまとめているので、戦いたい方は参考にして見てください。
会社を辞めたくなってから転職活動をすると・・・
- 早く転職したくて会社を選ぶ余裕が無かった
- 焦って変な会社の内定で妥協する
- ブラック企業に入った新入社員
- 転職で失敗したくない人