ハローワークの求人にもホワイトがいる?掲載企業を実際に見た感想

2019年10月14日

この記事を書いた人

ベンゾー@元SEの社会保険労務士事務所職員

元SEで残業地獄を経験し退職 / 社会保険労務士事務所に転職 / 友人・知人がブラック企業でうつ病になったことを後悔 / 労働問題の専門家としてブラック企業からの脱出方法を発信中 / 退職代行利用経験1回 / 会社を労基に訴え経験2回/ 転職経験2回 / ブログのコンセプトは「ブラック企業で悩む人を法的に守る」「プロフィールはこちら

ハローワークの求人にもホワイトがいる?掲載企業を実際に見た感想

お疲れ様です。SEから労務のプロ(社会保険労務事務所職員)へ転職したベンゾー(@zangyoujigoku)です。

今回は「ハローワークの求人」について紹介します。

求職活動中の人にとって一番大事なことって「ブラック企業にあたらないこと」ですよね。そんなあなたにとって、ブラック企業ばっかり掲載されている求人サイトなんてクソですよね。

残念ながらブラック企業ばかり掲載されていると噂されている求人機関があります。それが「ハローワーク」です。実際に「ハローワークの求人はブラックばっかり」という声を聞いたことがある方もいるんじゃないでしょうか?

今回は「ハローワーク=ブラックばかり」という噂について、僕なりの意見を紹介したいと思います。

ちなみに「ハローワークに求人を掲載させること」も僕の本業のひとつです。そんな僕が実際に思ったのが「ハローワークの求人にもホワイト企業がいる」です。

僕の意見をひとつの参考として考えてみてください。

 

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結論|残業の少ない会社が多いけどブラックも多い

長くなるので最初に僕が出した結論を言います。

ハローワーク求人は・・・

  • 低賃金が多い
  • 超小規模が多い
  • 福利厚生は最低限
  • 良い意味でアットホームな会社が多い
  • 残業が少ない会社が多い

です。

何をもって「ブラック企業」とするかにもよりますが、必ずしも悪い会社ばかりではないんですよね。人によって職場に求めるものって違ってくると思います。

例えば、

  • 先端技術を扱う仕事
  • 大規模な仕事
  • 一般社員で年収800万くらいの仕事
  • 知名度の高い会社

こういう仕事をハローワークで探すのは難しいです。それはハローワークの求人に「とある特徴」があるからです。

 

ちなみに「大きい会社や有名な会社ではブラック企業が少ない」と思っているなら大間違いです。悲しいことに大きな会社や有名な会社でも、違法な長時間労働やサービス残業、パワハラなどが起きているのが現状です。

 

ハローワーク求人の特徴|掲載無料

ハローワーク求人は民間求人と大きく違う点があります。
それは「掲載無料」ということです。

掲載無料であるため、「人を雇いたい。でもお金が無い」という会社でも求人することができるわけですね。民間の求人サイトでは無料で掲載できないため、掲載される会社にも大きな違いが出てくるわけです。
※Indeedは無料ですが、厳密には求人サイトではなく求人サイト専用の検索エンジンなので別物です。

以下では最初に結論として紹介した

  • 低賃金が多い
  • 超小規模が多い
  • 福利厚生は最低限
  • 良い意味でアットホームな会社が多い
  • 残業が少ない会社も多い

について解説をしていきます。

 

低賃金が多い?

ぶっちゃけ低賃金が多いです。それこそ最低賃金(法律上これ以上安い給料はNGという金額)で雇っているケースも多々あります。

ただ、そういった仕事はパートやアルバイトが多く、正社員で最低賃金近くで働いているというケースは少ないです。さすがに正社員で最低賃金だと、働きたいって人が現れないので当然ですね。

しかし最低賃金でなくても超安い給料の仕事もあります。しかも正社員で。こういった仕事は、業務内容も激しくなく、知識や経験を必要としないものが多いです。

なんでこんなに低賃金の求人ばかりなのかというと、やはり掲載無料だからでしょう。「人を雇うだけのお金が無い」「でも雇わないといけない」そういう会社がハローワーク求人に掲載しているため、低賃金の求人ばかりになっています。

 

ただ、中には超高収入とは言わなくても、そこそこ収入の高い仕事も掲載しています。これは「求人票に30万って書いてある会社もありますよ!」という意味ではないです。

ちょっと僕の仕事の話をしますね。僕の仕事は、会社が人を雇ったときに社会保険の手続きなんかをすることです。

そのときにいくらで雇ったのかを確認しますが、そこそこの給料で雇っているケースがあるんです。なんでそんなに給料を高くしているのか聞いてみると、

  • 安い給料じゃ人が来なかったから
  • 安い給料だとすぐに辞めることが多かったから
  • それくらい払う余裕があるから
  • 競合他社に負けたくないから
  • 欠員募集で緊急だったから

と、まあ色々な理由がありましたね。ただ、そこそこ給料の高い求人の場合はすぐに募集を締め切ってしまうことが多いです。

 

超小規模が多い?

人数の規模は小さいところが多いです。それこそ10人に満たないような会社もあります。
たまに100人程の会社もありますが、ほとんどは数十人規模ですね。

規模が小さいというのは、悪い意味も良い意味もあります。

 

悪い意味で言うと、人が定着しないためなかなか規模が大きくならないというパターンです。

こういう会社は、仕事のノウハウも積み重なりませんし、会社全体の収益もなかなか上がっていきません。シワ寄せが従業員に来ている場合はブラック企業と呼ばれても仕方ないような会社です。
※従業員にシワ寄せしなかった結果、倒産した会社もありますが・・・

 

ただ良い意味で言うと、人数に応じた無理のない業務量で収益を上げており、たまたま欠員が出たから募集している。という場合もあります。

こういう会社は社員の余力があり、ギスギスしていない社風であることが多いです。年に1回の昇給と年に2回のボーナスを出せる余裕もあり、たまたま業績の良かったときには3回目のボーナスを出していたりします。

大抵は経営者がその道のベテランで、強い営業力があるので良い顧客だけを相手にできていることが多いです。

 

福利厚生は最低限?

福利厚生は法律上必要とされるものだけという会社が多いです。

福利厚生というのは、会社のお金で従業員に給料以外の良い思いをさせているということです。例えば社宅、宿泊施設、社員旅行なんかがよくあるものですね。

法律上必要とされているのは、公的な保険(健康保険や雇用保険、労災保険など)だけです。ハローワークの求人では公的な保険はあるものの、その他の福利厚生は無いという会社がほとんどです。

 

単純に福利厚生を良くするだけの余力が無いこともありますが、従業員が定着しているから別に福利厚生に力を入れてないということもあります。

それにライバル会社に大企業が増えてくると、福利厚生に力を入れる必要も出てきますが、小規模な会社で福利厚生に力を入れている会社は少ないから、必要性が低いということもありますね。

最近は、僕の見の周りやTwitterなんかを見ていると「社員旅行なんて行きたくない」という人も増えてきています。そういう人からしてみれば、社員旅行に使うお金があるなら給料を上げてくれって感じですね。

必ずしも福利厚生が整っている方が良いというわけではないようです。

 

良い意味でアットホームな会社が多い?

上でも書きましたが、ハローワークに出している会社は人数の少ない会社が多いです。

こういう会社の場合、普通の上司ではなく社長が身近な存在であることが多いです。まさに社長が社員の親という、「アットホームな職場」です。

社長が身近な存在にいると、普通の上司ではできない決裁をしてくれることがあります。
僕が実際に見たものでは

  • 他の人が嫌がる仕事をし続けている人を昇給
  • プライベートでの悩みに社長が手助け
  • 多少の遅刻早退はスルー
  • 会社のお中元やお歳暮を社員に配る

僕自身、社長と普段から会わないような会社も経験してきましたが、上のようなことはありませんでした。

 

ただ「アットホームな職場」だからこその悪いこともあります。よく言われているのが「仕事とプライベートが曖昧」ということ。

社長が従業員のプライベートに過干渉になっていて、仕事場にプライベートが持ち込まれているパターンですね。逆にプライベートに仕事が持ち込まれているものとしては、社長の趣味に休日も付き合うような会社。

どちらも嫌でたまりませんね。

これ以外にも、アットホームだからこそ社長のお気に入りになれなかった場合、冷遇が続いてしまうこともあります。いくら頑張って成果を上げていても、社長が気に入らないからと言う理由で昇給もボーナスもごくわずかという。

 

「アットホームな職場」が良い方悪い方のどちらに転んでくれるかは、なかなか見極めが難しいところです。正直僕も判断が難しいです。

しいて言うなら、オラオラ系の社長は年齢に関わらず悪い意味でアットホームな職場を展開しています。穏やかな雰囲気の社長良い意味のアットホームな職場を展開しています。

 

残業が少ない会社も多い?

会社規模が小さく、それに合わせた業務量を取ってきている会社は残業が少ないです。1ヶ月で10時間未満という会社もザラです。

 

どうしても会社規模が大きくなると、残業が多くなりがちです。一部の会社では「絶対に残業をさせない!」と決めており、それが実現できている例もありますが、まだまだそんな会社が少ないのが現状です。

規模が大きいと、取ってくる業務量も多くなります。仕事がたくさんないと給料を払えませんからね。そうなると、仕事の管理のようなの裏方作業にかかる工数も増えてきます。必然的に会議の回数や時間も増えていきます。

「10人で百の仕事をする」のと「1000人で1万の仕事をする」のでは、単純に1人の仕事量を割ると同じになります。ただし、組織として仕事を管理するときにかかる時間が余計にかかってくるわけですね。

この辺の管理を上手くできている会社は、業務量が多くても上手くさばけて残業を少なくできています。

 

ハローワークの求人は会社規模の小さいところが多いため、特に管理面の工夫をできていなくても仕事をさばき切れていることが多いです。そのため残業が少ないことが多いんです。

最悪なのは中途半端に人数がいて(100人くらい)、管理面の工夫ができていない会社です。残業が多いのに従業員に大金を払えないから低賃金で働かせています。まさにブラック企業。場合によっては残業代を払っていないケースも存在します。

会社規模にこだわりがないのなら、思い切って30人程度の会社を選んでみるのも良いですよ。

 

なんでホワイト企業もハローワークに求人を出している?

冒頭でも書きましたが、僕はハローワーク求人を出す仕事もしています。そこで思ったのが「ホワイト企業でもハローワークに求人を出している」ということです。

 

これはただの事実なんですが、ハローワーク求人よりも民間求人サイトに掲載をした方が人の応募が多いです。

ハローワークに数か月求人を出していても1件も応募が無いなんてことはザラですが、そんな会社でも民間の求人サイトに掲載すると応募がたくさん来ています。

だったら求人にお金をかけられるようなホワイト企業なら、ハローワークではなく民間求人サイトに掲載するのでは?と思いますよね。そこはハローワーク求人の「とある特徴」があります。

 

もちろん上で紹介したように「掲載無料」というものもあります。ただそれに加えて「助成金が使える」という特徴があるんです。助成金というのは、企業が特定の条件を満たしたときに国や市区町村からお金を貰える仕組みです。

だいたいはそのときに関心の強まっている事柄が背景にあります。

例えば派遣切りが話題になったことで派遣から正社員に移すことで助成金が出るようになったり、男性の育児離れが話題になったことで男性社員が育児休暇を取ることで助成金が出るようになったりしました。

 

こういった助成金の中には、「ハローワークを使って人を雇った場合に限る」という条件が付けられていることもあるんです。そのため助成金を目的にハローワークに求人を掲載している会社があるんですね。

特に助成金の多くは大企業よりも中小企業の方が優遇されているんです。ハローワークに掲載する企業は中小企業が多いため、こういった面からしてもハローワークに掲載していることが多いです。

中には会社の方針と助成金の条件が上手く一致しており、年中助成金を貰っているような会社もあるくらいです。

お金を貰えるなら貰った方が良いという考えで、積極的にハローワークに求人を出しているホワイト企業があるわけですね。

 

まとめ|ハローワークの求人にもホワイトがいる?

  • ハローワーク求人は残業が少ない。その理由は「小規模な会社が多いため」
  • 小規模なので管理工数が少なく、業務量が適量
  • ホワイト企業でもハローワークに求人を出している
  • ハロワーク求人は助成金があるため
  • でも掲載無料だからブラック企業も多い

ハローワーク求人は「掲載無料」という最大の特徴のせいで窓口が大きくなりすぎていると思います。確かに掲載無料にしておかないと、立ち上げたばかりの会社で人を雇うのは難しいです。

でも求人にお金をかけられないような会社が、人を雇っていけるとは思えません。

僕個人としては、立ち上げたばかりの会社が掲載無料だとしても、ある程度収益の出ている会社なら掲載有料にするべきだと思っています。

じゃないとハローワークを通してブラック企業に人が斡旋されているようにしか思えないです。

 

ブラック企業は従業員がいなくなれば自然淘汰されていきます。市場原理に基づいて人がどんどん離れていけば自然淘汰されるはずなんです。

それなのにハローワークを通して人を雇えているため、なかなか淘汰されていきません。そんなのは間違っているんじゃないでしょうか?

 

この記事を読んでくれたあなたは、是非ともブラック企業に就職することなくホワイト企業に入社してください。ひとりでもそういう人が増えれば、ブラック企業の自然淘汰に近づけると思っています。

「求人票の見方|ブラック企業を避けるために見るべき項目と知るべき制度」で求人票で判断できるブラック企業を見極めるポイントを紹介しています。転職先を決める前に一度ご覧ください。

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ベンゾー@元SEの社会保険労務士事務所職員

元SEで残業地獄を経験し退職 / 社会保険労務士事務所に転職 / 友人・知人がブラック企業でうつ病になったことを後悔 / 労働問題の専門家としてブラック企業からの脱出方法を発信中 / 退職代行利用経験1回 / 会社を労基に訴え経験2回/ 転職経験2回 / ブログのコンセプトは「ブラック企業で悩む人を法的に守る」「プロフィールはこちら

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